カリスマ書店員3人が日比谷でトークイベント“マジ絶望”な世の中を生き抜くヒントとは?〈後篇〉

長江のおすすめ本は『〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。』
花田:今日は『マジ絶望』を読んで、さらにもう1冊読むとしたらおすすめの本をそれぞれ持ってきてもらったんですけど、長江さんは?
長江:『〈レンタルなんもしない人〉というサービスをはじめます。』っていう、花見の場所取りとか行列に並ぶみたいな、タダで“なにもしないんだけどそこにいますよ”ってことをやってる人が書いた本です。普通だったらお金を払わないと解決しないとか、払うまでもないけど友だちに言いたくないみたいな困りごとがすごく顕在化されてます。無料でなにもしないことを提供する斬新さというか、お金と仕事と人間関係についても考察してるんですけど、そこがめちゃめちゃおもしろいな、と。
花田:私は『がんばらない練習』っていう最近出た本です。会話がわからない、服がわからない、すぐに帰りたくなる……言ったら“コミュ障”みたいな方で、本も何冊か書かれているんですがずっと書いてるのは「だるい」っていうことだけなんですね。出かけるのもだるいし、声出すのもだるいし、みんなと飲み会もだるいというようなことを書いてるんだけど、それをすごく掘り下げて書くとおもしろくなるんだなって。地下1階までしか掘り下げないとおもしろくない話も、地下100階まで掘り下げるとこんなにおもしろくなる。そういう感じの本ですね。
『がんばらない練習』の洞察力を絶賛する花田