ブラサカ日本代表合宿、フル装備で「暑さ対策」
記者の質問に答える高田敏志監督
日本独特の暑さは、開催国でも難題
11日の東京の最高気温は35.6℃。湿気を含んだ熱い空気と強い日差しが照りつけるなか、9時30分~16時までトレーニングは行われた。「プレーのクオリティだけを求めるのであれば、早朝や夕方の練習でもいい。でも来年のパラリンピックでは、予選3試合のリーグで11時、13時キックオフの試合にあたることもある」と語るのは高田監督。日本独特の湿気を含んだ猛暑で体力低下が予想されるなか、1年前のこの時期に、より実戦に近い環境に慣れておくのは重要だとした。
暑さ対策のクーリングはフル装備。深部体温を下げるための手の平の冷却や、シャーベット状の氷飲料「アイスラリー」の摂取、水風呂にあたる「アイスバス」を導入。「これだけ(身体が)温まると、シャワーを浴びて表面は冷やされても、深部は熱を持ったまま。翌日の体力回復も鈍くなります。アイスバスを導入してからは、バイタルの回復も早い。選手たちも効果を実感しているようですね」と監督は明かした。
さらには、体温管理や体重管理、脱水を防ぐための水分量の管理など、最適な身体状態を探るため、あらゆる角度での調整が進められている。川村怜主将は「どれくらい水分を摂ればいいか自分で分かるのはいいですね。(夏の)この時期にしかできないことなので、できることは全てやりたい」と語る。練習後の管理も重要だとし、「前日の準備がすべてだと思っています。栄養、水分、睡眠をしっかり摂ることが一番大事ですね」と明かした。
経験豊富な川村怜主将
3月のリベンジなるか
8月24日からは8日間の日程でイングランド遠征が控えている。遠征先であるイングランド代表は、現在IBSA世界ランク第9位で、今年3月開催のIBSAブラインドサッカーワールドグランプリ2019では準優勝するなど、近年力をつけているチーム。日本は同大会で4位に終わっているため、約5ヶ月ぶりのイングランド戦はリベンジマッチであるとともに、重要な強化の機会となりそう。川村は「イングランドは、サイドチェンジやドリブルが強いので、前進させないのがポイント。2、3人で連動した守備の仕方を練習しました」と守備の強化を語る。
今回の遠征で日本代表メンバーに初選出された園部優月について監督は「経験を積ませることですね。小学生の頃から見ていますが、将来の可能性やセンスを感じる。負けん気が強い、ゴールへ向かう姿勢が何よりの長所。周りの選手がサポートして彼の長所が出せれば」と語った。