汗をかく動物【黒谷友香の「友香の素」vol.212】


 猛暑日が続いているこの夏、皆さんいかがお過ごしでしょうか? 本当にこまめな水分補給と塩分も摂取して、部屋の中でも熱中症に気を付けないといけません。というのを理由にして塩気のあるお菓子をつまむ頻度も増えてたり(笑)。

 ところで、人間は暑いと全身で汗をかいて体温を下げようとしますよね。実はこれができるのは動物の中でも珍しくて、ゾウは大きな耳をパタパタとはためかせて起きた風で血管内の血液を冷やし体温を下げるそう。犬が舌を出してハアハアするのはそれで体温を下げているからで、汗は肉球に少しかくぐらい。

 では人間の他に全身で汗をかく動物は? ヒントは週末よくテレビに映る尻尾が長い動物です。正解は、馬。馬は全身で汗をかけるのです。競馬のパドックでゼッケンの辺りが白くなっているのをご覧になった事があるかと思いますが、あれは馬の汗です。と言っても白い汗が出ている訳ではなくて、汗自体は透明です。馬の汗に含まれているラセリンという成分が、ゼッケンに擦れて、石鹸のように泡立つから白く見えているのです。ラセリンは水と油を混ぜる働きがあるので、馬体をみっしりと覆う毛(油分)を通す事で、身体の広い面積に汗を広げられるのです。そのおかげで体温を下げる事ができているのでした。

 ただ、人間は暑いと自然と汗をかきますが、馬はそうではなくて運動や興奮した時などに汗をかくので、仕組みは少し違うようです。人間の熱中症対策と同じく、私の馬も、馬用のスポーツドリンクを普段から飲ませたり、水浴びしたり、太い血管がある後ろ脚の内側の部分にシャワーをあてて内側からも体温が下がるようにしています。そうすると、あ?涼しい?みたいな顔をしてボーっと扇風機に当たってます。

 私たち生き物にとって厳しいこの猛暑、熱中症に気を付けて栄養摂って夏バテをしないようにして乗り切りましょう!!
黒谷友香(くろたにともか)
女優。1975年生まれ。NHK「ボキャブライダー on TV」にレギュラー出演中