【インタビュー】Leolaが届ける、変わっていくものと変わらないもの。



――現在、最新ツアー『Leola Live Tour 2019“HANGRY!?“』の真っ最中。東京公演(27・28日、渋谷 WWW X)が迫ってきました。ツアーではどんな感触を得ていますか?

6月にスタートしたんですけど、初日から結構新境地が見えた気がしました。お客さんとの接し方だったり、自分を解放するライブにできそうな感じが。

――それは、何らかの工夫があってのことでしょうか。

 今回のツアー、アルバムも含めて、今まで見せたことのなかった顔を見せたいっていうのがあるんです。タイトルの“HANGRY!?”は、ハングリー精神のHUNGRYと、がむしゃらに頑張っているのにうまくいかないもどかしさからのANGRYを掛け合わせたものなんです。今までのLeolaはただのポジティブな女子だったけれど、みんなと同じように悩んだりもしている。そいういうところを見せて、みんなともっとつながりたいなって。そういうのもあって。自分から湧いてきた言葉を言おう、予定調和じゃないライブを作りたいって。そこにトライをしたくてやっています。

 だからリハーサルはしっかりやったし、ツアーがスタートしてからは、それをどう崩していくかってことを考えていて。崩せるところはとことん!と、メリハリをつけながら進んでいます。フラッシュアイデアでこういうの使ってみたらいいんじゃないのかなっていうのとか、小道具的なのも用意しているし、どんどん試していきたいな、なんて。なによりも、来てくれた方が楽しかったって帰ってくれるのが一番です。


聴いてくれる方たちと共感しあいながら成長したい



――ライブツアーが盛り上がるなか、アルバム『Things change but not all』がリリースされました。フルアルバムとしては、約2年ぶり。

 自分にとって去年の1年間は、模索したり、必死に形にするという時期だったんです。ミニアルバム『LOVE, LIVE & LAUGHTER』で自分のやりたかったサウンドや、夏!って感じてもらえる作品を作って。そのあとも、一つひとつチャレンジと思って配信で楽曲を発表して。ただ、ライブというところはできていなかったんです。ファンの方と顔を合わせる場所もないし、私を応援してくれる方たちと、ちゃんと深くつながれていないんじゃないかと心配になって、そんなのはすごく寂しいと思って。それで、聴いてくれる方たちと共感しあいながら成長したいって思いました。それでさっきの、格好いいところだけ見せるんじゃなくて、みんなと一緒ですよっていうのを見せたい。そういう作品にしたいなって、完成したのが『Things change but not all』なんです。

――これまでは、そういうところは意識して書いてこなかったんですか。

 どちらかというと、笑い飛ばしたい人なんです。聞くほうが得意で、自分の意見を率直に言うっていうのは苦手だった。これまでもまったく書いていなかったわけではなくて、そういう感情は一言二言で済ませていました。でもそれを、そういった想いがあるからこそ一緒に頑張ろうっていう曲だったり、そんな気持ちがあっても希望を見出して私は頑張るからっていうのを楽曲の中に出したいと思って。

――「格好つけない」とか「さらけだす」という考えかたには、アルバム制作をしながらシフトしていったのか、それありきで制作に着手したんでしょうか。

 いつからってはっきりしたことはないですけど、曲を作っていく中で、徐々にそういういう歌詞が乗っていったのかなって思います。なんかこの作品は直感的で、本当にすごく……素直に作れた気がします。

――これまでと違う考え方で作品に臨むうえで、これまでのやり方と変わったことはありますか?

 書いた歌詞を整える作業を、それほどしなくなったことです。なかでも「ヒカリ」はそれをしていなくて、最初に書いた言葉、ほぼほぼそのままです。今までだったら気になるところを詰めたり、他の表現がないか探したと思うんですけど、“整える”とか“マスキング”したくなかったんです。出て来た言葉そのままをいま届けたいと思えた曲だったので。すごく素直な歌詞になっていると思います。

――「ヒカリ」はいつ頃作っていた曲なんですか?

「Alright!」と同じぐらいだったから、去年の末ぐらいです。多分その頃が一番、自分のなかで葛藤していたときで……この2曲は自分の決意の現われだったりします。

――この曲はアルバムを完成に導く推進力になったのかもしれませんね。

「SUNNY DAY」みたいにアソビを多く入れたアッパーチューンもあったりしますけど、新曲に関しては、書く言葉は悩まなかったです。これまでは難産の曲もあったけれど、今回のアルバムに収録した楽曲は、感覚的に書いていくのがたぶん合っていたんだと思います。それぞれの曲に時間もかからなかったので、アレンジだったり、今まで出してきたもの、アルバムには去年のミニアルバムの曲も収録しているので、その楽曲をどうやって入れようかとかそっちのほうにも思考が回る気持ちの余裕はあったかな。