【インタビュー】高杉真宙 映画『見えない目撃者』で吉岡里帆の“相棒”を好演!

撮影・辰根東醐

共演者や盲導犬役パルからも刺激!


 本作ではさまざまな初挑戦も。春馬が乗りこなすスケートボードもそのひとつ。

「けっこう練習しました。なかなか難しいなと思いながらも、準備は舞台のお仕事と並行して何日か。あとは家に持ち帰ってもやりました。スケートボードに乗る皆さんは、みんな簡単そうにやるんですよね。すごいなと思いました」

 犯人に追われるシーンでは、激しいアクションシーンもあった。

「これまでの作品でも殴り合ったりするアクションはあったのですが、今回は飛び降りるとか、追いかけられるといった、まさに身体を使ったものだったので、全然違うなと思いながらやらせてもらっていました。子供のときにやった、高いところから飛び降りるゲームみたいな、自分がどこまでできるのか試してみたいという気持ちで臨みました」

 約2カ月におよぶ撮影では、監督や共演者の仕事ぶりに刺激を受けたことも多々あったという。

「監督はこだわりの強い方で、そこが大好きなところです。OKとダメがはっきりしている妥協のない方なので、俳優としてありがたいですし、OKをもらえるのがすごくうれしい。監督がOKなら絶対大丈夫だと信じることができました。とくにクライマックスの洋館のシーンは1カットずつ、こだわって撮影しました。犯人とアクションしている部分でクッションの羽根が舞うシーンがあるんですが、実は、そこに何時間もかけているんですよ。スクリーンで見たら、すごくカッコ良くていいシーンでした。1シーン、1カットが、みんなの時間と努力の積み重ねでできているんです」

 主人公・なつめを演じた吉岡とも息ぴったりのバディぶり。

「吉岡さんの役どころは、台本を読んだときから大変そうだな、と思っていました。どんな演技をされるんだろう、と。現場で見ていても、吉岡さんは本当にストイックでした。大変だったからこそ、良いシーン、良い作品につながっていったんだと思う。吉岡さんは常に役のこと、作品のことを考えていらっしゃったから、すばらしい作品になったことで報われたんじゃないかなと思います。吉岡さんのバディを務めることができて本当に良かったです」

 現場では、こんな吉岡の一面も“目撃”。

「節分の日の翌日だったかな、吉岡さんが節分豆を持ってきて、メイク部屋でみんなに配っていたんです。その姿を見たときに“行事をちゃんとやっているのって、すてきだな”と思いました。一人暮らしだとなかなか行事ごとをやらないので。そういう部分から人柄って現れるんだな、僕ももっと大事にしたいなと思いました」

 先輩俳優たちからも刺激をもらった。

「(刑事役の)大倉孝二さんや、田口トモロヲさんの姿を見ていて、僕も刑事役をやってみたいと思いました。いつかお2人のような渋い刑事ができるようになりたいです。間近で見ていても本当にかっこよかったですし、完成した作品を見て、お2人の自然な感じがすごくかっこいいですよね。そういうのは身につけようと思って身につけられるものでもないのかな。構えていないというか。フットワークの軽い感じがかっこよくて、いつか自分もできたらいいなと。憧れますね」

 なつめのバディを務める盲導犬役のパルとの触れ合いも?

「それが、パルの集中力を乱さないように、基本的に触ったり目を合わせてはいけなかったんです。ただ、パルが活躍する駅のシーンは、普段、現場で見ていたパルと全然違いましたね。こんな顔するんだ、すごいと思いました。かわいいだけじゃないぞって(笑)」