【インタビュー】葵わかな  映画『任俠学園』で“全員善人”を相手に大暴れ!?

 ベストセラー作家・今野敏の“任俠シリーズ”を西島秀俊×西田敏行のW主演で映画化! “全員善人”の社会貢献型ヤクザを悩ませる学園一の問題児ちひろを演じたのはNHK連続テレビ小説「わろてんか」のヒロイン役で注目を集め、映画・ドラマ・舞台と幅広く活躍する女優・葵わかな。本作ではヤクザ役のベテラン俳優勢に負けない“おっさん”演技に挑戦!
葵わかな(撮影・辰根東醐 ヘアメイク・竹下あゆみ スタイリスト・岡本純子(afelia)ニット 2万7000円(ラウタシー)、スカート 4万2000円(アカネ ウツノミヤ) )
「現場に勢ぞろいした阿岐本組の皆さんは、格好もヤクザの衣装ということもあって、すごく威圧感がありました」と振り返る葵わかな。それもそのはず、仁徳京和学園高校を再建すべく乗り込んできた阿岐本組の面々を演じるのは、西島秀俊、西田敏行をはじめとするベテラン俳優陣。

「私たちより1週間ほど前から撮影を始められていて、すでに阿岐本組の皆さんはものすごく仲が良くて、本当に“組”という感じでした(笑)。威圧感もすごいですし、ベテランの方ばかりで最初はそんなになじめないかなと思っていたんですが、阿岐本組の皆さんは一見、顔は怖く見えますけど(笑)、すごく優しい方ばかりで。生徒役の私たちにもいつも優しく声をかけてくださって、撮影後半にはすごく仲良くさせていただいていました」

 困っている人を見過ごせない、義理と人情に厚すぎる“全員善人”のヤクザ阿岐本組。組長(西田敏行)が経営不振の高校の建て直しを引き受けてしまい、NO.2の日村(西島秀俊)は子分を連れてしぶしぶ学園へ。ところが彼らを待ち受けていたのは無気力・無関心のイマドキ高校生と、事なかれ主義の先生たちだったー。

 映画では高校生と昔気質のヤクザとのギャップが笑いを巻き起こすが、現場では木村ひさし監督のもと、キャストたちが一丸となったとか。

「みんなが仲良くなっていったのはやっぱり木村監督の存在が大きかったと思います。実は台本が現場で変わることが少なくなく、リハーサルのときに“ここはこうやってみようか”と監督からその場で指示を頂くことがありました。その監督のアイデアが本当に面白いので、監督がイメージされたとおりに表現したいと思うんですけど、なかなか難しくて。私は毎日、監督から与えられる試練に立ち向かうというか、監督が投げるボールを、ホームランを狙って打ち返していくような気持ちで臨んでいました。ふと気づくと他のキャストの皆さんも監督の期待に応えようとそれぞれに戦っていて、いつしか一緒に戦う仲間のような、選手団のようになっていましたね」
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