ラグビーW杯 歴史に残るファーストトライを撮るために 【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
撮影/文章:長田洋平(2019年ラグビーW杯 開幕戦 日本対ロシア 松島 幸太朗)
先月9月20日、ラグビーW杯が日本にやってきた。
開幕を心待ちにするラグビーファンで埋め尽くされた東京スタジアムは、超満員の歓声とビールの匂いに満ちていた。
昨年取材に行った2018年サッカーロシアW杯の雰囲気とも少し似ており、「世界のビッグイベントが日本にやってきたな」と高鳴る鼓動を肌で感じていた。

幸運な事に、日本ラグビー史に残る日の撮影に僕は参加できたわけであるが、
会場の盛り上がりとは裏腹に現場は不安と緊張に満ちていた。
国内外から集まったカメラマンは100人をゆうに超える。
それぞれに与えられる席は1人につき1つ。
しかし日本のトライシーンを撮りたいと思ったら、それでは足りないというのが正直なところ。
開幕イベントや開会式も次々にとり行われ、撮影しては会社に写真を送る作業を繰り返し、息つく間もなく試合は始まってしまった。
この写真は躍進の口火を切る松島選手のファーストトライ。

これを撮るために一日働いたといっても過言ではない。
現場は未確定な要素の多かったため、無事に撮る事が出来てホッとしたというのが正直な感想だ。

ちなみに先述したカメラマンの席決めは抽選で行われる。
細かいルールは割愛するが、僕が引いた番号は128だった。
後ろから3番目の番号である。
残りものには福があった。

センター寄りにトライを決めてくれた松島選手にも大いに感謝したい。


【カメラマンプロフィル】
撮影:長田洋平
1986年、東京出身。かに座。
早稲田大学教育学部卒業後、アフロ入社。
2012年ロンドンパラリンピック以降、国内外のスポーツ報道の現場を駆け回っている。
最近では平昌オリンピック、ロシアW杯を取材。
今年の目標は英語習得とボルダリング5級。
アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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