山崎まさよし × 北村匠海 映画『影踏み』共演! 俳優としてミュージシャンとして共鳴しあった2人 

『半落ち』『クライマーズ・ハイ』『64-ロクヨン-』と代表作の数々が映像化されてきたベストセラー作家・横山秀夫。警察小説の名手として知られる横山作品の中で、犯罪者が謎解きに挑む異色のミステリーを篠原哲雄監督が映画化。世間のルールを外れて生きる孤高の泥棒・真壁修一役には、本作が14年ぶりの主演映画となる山崎まさよし。修一の“相棒”啓二役には『君の膵臓をたべたい』の北村匠海。異色のバディー誕生の舞台裏に迫る!
[山崎まさよし]ヘアメイク・三原結花(M-FLAGS)、スタイリスト・宮崎まどか ネックレス HARIM 1万4000円(STUDIO FABWORK 03-6438-9575)、ブレスレット NORTH WORKS 1万2000円(NORTH WORKS 042-513-0927)、靴・スタイリスト私物(撮影・上岸卓史)

世代を超えてつながった最高のバディー


山崎まさよし(以下:山崎)「匠海くんは会った時からしっかりした若者だなという印象でした。年の差もあるのに快く相棒役をやってくれて、逆に申し訳ないくらいです(笑)」

北村匠海(以下:北村)「音楽もやっている僕にとって、まさよしさんはまさにレジェンドですし、とくに母は『月とキャベツ』の大ファンなんです。共演させていただくと知って両親がものすごく喜んでいました(笑)」

 孤高の“ダークヒーロー”とその“相棒”を演じた2人。年の差はあれどバディーとしてすぐに信頼し合った様子。

北村「撮影前に、まさよしさんとプロデューサー、篠原監督と僕の4人で食事をさせていただいた日、まさよしさんが“相棒なので一緒に帰ります”と僕と2人でタクシーに乗って、そこでいろいろお話させていただきました。まさよしさんから距離を縮めてくださって本当にありがたかったです」

山崎「僕こそ匠海くんに助けてもらいました。役者は、いい芝居をしたいがためにエゴが出ることがある、と聞いたことがあるけど、匠海くんは“スタッフの1人である俳優”になるんですよね。若いからエゴがあってもおかしくないのに、それを出したら作品が台無しになりかねないことをすごく分かっている。だから僕は、匠海くんが作ってくれる空気に乗っかるだけでよかった。匠海くんが“修兄ぃ”と呼んでくれて、僕は修一として現場にいさせてもらった。リアリティーをもって物語を伝えられる作品になったのは、匠海くんの功績が大きいと思う。脚本をすごく考えて読んでいるし。僕なんてずるいもので、すぐ“自分は本来ミュージシャンだから…”と言い訳できるなんて思っていましたけど(笑)、彼も同じミュージシャンでありつつ、俳優として言い訳をしない」

北村「こうやっていつもほめてくださるんですよ(笑)」

山崎「なんかちょうだい(笑)」

北村「これは何かプレゼントしないといけないですね(笑)。でも冗談抜きに、今回、まさよしさんから本当に多くのことを学ばせていただきました。役者って、役として別人格を演じていても2割くらいは、自分自身の感情とかそれまで培ってきたものを落とし込んでいると思うんですが、まさよしさんの芝居には、歩んできた人生の深さの違いというか、大木の年輪のようなものを感じるんです。セリフでも、話していても、言葉一つひとつに深みを感じる。普段はすごくフランクで、少年のような気持ちを忘れてないところもおありですけど(笑)、芝居になると歩んできた生き様の違いのようなものを感じましたね」

山崎「何かあげようか(笑)」
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