間宮祥太朗 × 桜井日奈子 ネガティブキャラが愛おしい!映画『殺さない彼と死なない彼女』
インパクト満点のやや不穏なタイトルと、そのイメージを覆す共感と感動で、SNSを中心に多くの支持を集めた大人気コミックを『ももいろそらを』『ぼんとリンちゃん』の小林啓一監督が実写映画化。不器用なのにチャーミング、ネガティブなのに共感せずにはいられない“殺さない彼”と“死なない彼女”を『帝一の國』の間宮祥太朗と『ママレード・ボーイ』の桜井日奈子がダブル主演で好演!
[間宮祥太朗]ヘアメイク・三宅茜 スタイリスト・津野真吾(impiger) 撮影・星野雄飛
監督のこだわりに刺激「1日、撮影しない日も」
「殺す」が口癖でスマホ依存の無気力男子・小坂れいを演じた間宮祥太朗と、「死にたい」が口癖で周囲から変人扱いされている心優しきネガティブ少女・鹿野ななを演じた桜井日奈子。Twitterの投稿から人気に火が付き、大人気となったコミックの実写化に、2人もすぐに興味を持ったという。
桜井日奈子(以下:桜井)「原作を読んで、私も不器用なんだけど愛おしい登場人物たちに魅せられた1人で、お話を頂いたときは、ぜひ鹿野を演じさせていただきたいと思いました。鹿野の動物的なところがかわいらしくて、私、実写でこれを表現できるだろうかと少し不安に思ったところもあったんですが(笑)。鹿野って悲しいときには涙を流すし、おいしいものを食べるとおいしい!という顔をする。本能のままに生きているようなところがあって、なんかちょっと動物っぽいなと」
間宮祥太朗(以下:間宮)「悲しいときに泣けないのか(笑)?」
桜井「私も、そういうときはちゃんと泣きます(笑)。なので、鹿野にも共感できたんです」
間宮「僕も、SNSで“泣ける4コマ”と話題になった原作を実写化するんだ、と興味を持ったんですけど、僕はもともと小林監督の『ももいろそらを』を拝見していたので、今回お話をいただいて一番うれしかったのは小林監督とご一緒できるということでした。『ももいろ-』はモノクロで主人公の女子高生の日常をずっとカメラで追いかけた作品なんですが、特別なドラマを起こそうとしていなくても、その子自体がドラマティックというか、登場人物が生き生きしていて瑞々しく描かれている。口が悪くても愛があって、ガサツな喋り方でも、それがすごく魅力的になる。今回の登場人物たちとも通じる部分だと思います。最初に『ももいろ-』を見たときから、これは女優さんの表現力もあるんだろうけど、小林監督の演出力もすごいんだろうなと思ったんですが、今回の撮影でものすごいこだわりを目の当たりにし、改めて小林監督の演出のすごさを実感しました。例えば今回、すべて自然光で撮影していたので、日が出ているときしか撮影できなかったりしているんです」
桜井「1日、何も撮らなかった日もありましたよね」
間宮「ありましたね。今日は日光が出ていないからって。本来、監督がやりたいことにきちんと時間を割くことができるのが作品にとっても有意義だし、今回、僕らがこれだけリラックスして撮影できたのも、きちんと時間をかける現場だったからということもあったと思います」
桜井「私もそう思います。事前にリハーサルの期間も頂いたし、そこで役についていろいろ探ることもできたし、撮影現場でも、1カットごとに皆で確認しながら、次はこうやってみようか、と話し合いながら撮っていくことができた。本当に有意義な時間でしたね」
間宮「撮影に時間がかかるからストレスになるというものでもないんですよね。小林監督は、OKが出た後も“OKなんだけど、もうちょっと何かあるかな”と言って、さらに何パターンか撮るということがあるんですが、それで時間がかかっても僕はまったくストレスを感じていませんでした。監督は何かを探しているという感覚を僕らと共有してくれる。OKのカットを開示してくれて、それとはまた別のものもやってみて他にも何かないか探してみよう、ということなので、僕らも楽しみながら、監督と一緒に、もっと何か出てこないか探っていくことができました」