【インタビュー】小芝風花「東京で大地震が起こる、その本当の“怖さ”を感じました」
役作りのため数カ月にわたるアナウンサーレッスンを続け、本作に挑んだ小芝。その迫真の姿が、ドラマにさらなるリアリティーをもたらしている。
「夏ごろからレッスンをだいたい週に1度、2時間ほどNHKの中川緑アナウンサーからマンツーマンで指導していただきました。最初は“次は天気予報です”といったような短い文章から始めて、次に過去の実際のニュース原稿を読む練習をし、その後にドラマで使う原稿を読む練習をしたんですが…本当に難しかったです(笑)」
番組編集長・江口役の高橋克典が「本物のアナウンサーが練習しているのかと思った」と言うほど真に迫っている小芝だが、レッスンで感じた難しさとは。
「まず、原稿を読むときの音の高低が難しかったです。言葉一つにも正しい音がありますし、ニュース原稿では行の頭の音をそろえないといけないといったルールもあるんですが、自分の耳ではなかなか違いが分からなかったり、自分のクセが出てしまったり。最初のうちは“東京”のひと言すら、正しい音をつかむのは大変でした。さらに大事なことが、ニュースの内容を把握して正しく意味を伝えること。どこで区切るか、どこにイントネーションを置くかで、そのニュースで一番伝えたいことが変わってきてしまうので、正しい位置に印をつけなければいけないのですが、これもまた難しくて(笑)。例えば“今日の天気は晴れです”という文なら“晴れ”が一番伝えたいところになるので、そこに印を自分でつけていきます。実際に印をつけるときにアナウンサーが使っている赤青鉛筆も、違和感なく扱えるよう練習しましたね。あと、一番難しかったのが“絵解き”の練習でした。流れている映像を見て“今10人ほど人が見えます”というような、その状況を自分の言葉で伝えるというものなんですが、これが本当に難しいんです。ドラマでも、絵解きでニュースを伝えるシーンがかなり多くて、アドリブもあったりして大変でした」
実際のアナウンサーレッスンも乗り越えた小芝。今後、キャスターに挑戦する可能性も?
「いえ、とてもとても(笑)。演じてみて、実際のアナウンサーがいかに大変か、その一端を知ってしまいましたから。内容を把握して、きちんと聞き取れるように正しく伝えるだけでも大変なのに、読んでいる途中でデスクやインカムからいろいろな指示が入るし、放送の残り時間も把握しないといけないし…。それに緊急報道では、自分の言葉一つで人の命が左右されることだってある。本当にアナウンサーは大変な仕事だと思いました」