神田松之丞自身監修の「講談えほん」発売でイベント「みんなで面白い話をしたい」
5歳児から小学生の子どもと親を対象にしたイベント。披露した講談は「違袖の音吉」で子どもたちと同じ年ぐらいの子どもが登場する話。張り扇の音、神田のさまざまなアクションや表情、声色に、あちこちで子どもたちの笑い声が上がっていた。
質問コーナーでは、5歳の子どもから、なぜ「違袖の音吉」を作ったのか聞かれ「実はね、おじさんが作ったのではなくて、昔からこの話はあって、みんなが同じ話をしてきたんですね。自分で作った話もあるんだけど、みんなに喜んでもらいたいから、このお話をやっています」と答えたが、子どもの表情を見て「全然納得してない」と笑い、「楽しい話を、みんなと一緒になって楽しいねってなりたいから、講談師をしています」と付け加えた。どうやって話を覚えるのかという質問には、「毎日こつこつ読んでいくと、だいたい100回も読むと覚えるね。みんなぐらいの年なら10回ぐらい読めば覚ちゃうんじゃないかな。1日だけじゃダメで、1週間ぐらい毎日やると、このぐらい(20分強の講談)も覚えられる」と言い切った。
自身も一児の父で、読み聞かせもしているという。イベント終了後の取材で、「子どもってシビアなんですよね。嫌いな本は見向きもしない。あれあれと指を指して、好きな絵本を何度も何度も読む。この子は何をもおもしろいと思っているのかと注目して読んであげるとおもしろい」。さらに「僕も読み聞かせをしていますから、今回出した絵本がラインアップに加わるならうれしい」と、期待を寄せた。
この回の絵本の企画にかかわったのは「次世代に伝えたい講談のお話を、子どもたちに残すため」だという。イベントでは「声に出して読んで響きがいいように監修した」と話し、「子どもの頃に覚えたものは中学になっても高校になっても覚えていたりする。大人になると発見があるので見たり覚えたりしてほしい」と、アピールしていた。