【インタビュー】根本宗子×清 竜人 旗揚げ10周年に代表作『今、出来る、精一杯。』を音楽劇にリメイク
清 竜人(撮影・小林郁人)
10周年の節目にこの作品を選んだのはなぜ?
根本「なぜ自分の足が悪くなったのかといった自分の話、自分の過去を一番たくさん書いている作品で、当時の自分のプライベートなことも書いている。そういうすごく私的なことで出来上がった芝居だったんですけど、それを今の私が演出したらどうなるんだろうなっていう気持ちと、過去作をリメイクするということを考えながら自分の台本を読み返したときに一番やりたいのがこれでした」
清が演じるのは「安藤」という、女に依存しなければ生きていけない男。根本は今回の再演にあたり、この役は清以外考えていなかったという。
根本「断られたら違う演目にしようと思っていました」
そして音楽監督として劇中の音楽も任せた。
根本「この作品に音楽を入れるとしたら、どの役に寄り添った音楽が入るのがいいのか?といったことを考えながら、もう一度台本を読んだ時に、この安藤という役の台詞だったり気持ちを曲にしていくのが一番いいと思ったんです。そしてその気持ちを歌う人と演じる人が別という考えは私の中にはなかった。一人の方にやってもらおうとなった時に、竜人さんにしかいないと思ってお願いしました」
稽古をやってみて、俳優としての清竜人の良さというのは?
根本「そのままいられるというか…。俳優は“何かやらなきゃ”と思ってやるところがあるんです。もちろんそれが俳優の仕事ですから。だからこそそうではない“自分の個性ありきでその役をやっていく”という考え方は俳優にはあまりない。そういう人が座組にいてくださるほうが、作品を作っていて私は楽しいので、そこが一番でしょうか」
今夏にはアイドルグループGANG PARADEを起用してのミュージカル『プレイハウス』を実現させた。オールナイトニッポンのパーソナリティもそうだった。そういった実行力はどこから?
根本「言葉の力をかなり信じているので、やりたいことは言ったほうがいいと思っているんです。でも闇雲に言うんじゃなくて、“今言っても無理だろうけど、ここなら”というタイミングを探るのが好きなので、そういったこともあるかもしれません。あと、通常のプロデューサーさんはどうしても手堅い方向にいきがちなんですが、月刊『根本宗子』はプロデューサーも私がやっていて、よそでは考えないような企画をやって演劇の間口を広げたいと思っているので、そういうところに興味を示してくれる方は多いのかもしれません」
清さんは本格的な演技は初めて。それを根本さんに任せてみようと思ったのは?
清「過去にも何度か俳優としてのお話はいただいたんですが、そもそも興味がなかったので敬遠していたところもありました。今回はプロジェクトに対する興味というのも大前提としてあるんですが、それよりもお話をしてみて、言葉の端々や考え方にシンパシーを感じたところもあったし、僕でやりたいという強い気持ちを真摯にお話してくださったので、力を尽くしてみようという気持ちになれたということですね」
根本「なぜ自分の足が悪くなったのかといった自分の話、自分の過去を一番たくさん書いている作品で、当時の自分のプライベートなことも書いている。そういうすごく私的なことで出来上がった芝居だったんですけど、それを今の私が演出したらどうなるんだろうなっていう気持ちと、過去作をリメイクするということを考えながら自分の台本を読み返したときに一番やりたいのがこれでした」
清が演じるのは「安藤」という、女に依存しなければ生きていけない男。根本は今回の再演にあたり、この役は清以外考えていなかったという。
根本「断られたら違う演目にしようと思っていました」
そして音楽監督として劇中の音楽も任せた。
根本「この作品に音楽を入れるとしたら、どの役に寄り添った音楽が入るのがいいのか?といったことを考えながら、もう一度台本を読んだ時に、この安藤という役の台詞だったり気持ちを曲にしていくのが一番いいと思ったんです。そしてその気持ちを歌う人と演じる人が別という考えは私の中にはなかった。一人の方にやってもらおうとなった時に、竜人さんにしかいないと思ってお願いしました」
稽古をやってみて、俳優としての清竜人の良さというのは?
根本「そのままいられるというか…。俳優は“何かやらなきゃ”と思ってやるところがあるんです。もちろんそれが俳優の仕事ですから。だからこそそうではない“自分の個性ありきでその役をやっていく”という考え方は俳優にはあまりない。そういう人が座組にいてくださるほうが、作品を作っていて私は楽しいので、そこが一番でしょうか」
今夏にはアイドルグループGANG PARADEを起用してのミュージカル『プレイハウス』を実現させた。オールナイトニッポンのパーソナリティもそうだった。そういった実行力はどこから?
根本「言葉の力をかなり信じているので、やりたいことは言ったほうがいいと思っているんです。でも闇雲に言うんじゃなくて、“今言っても無理だろうけど、ここなら”というタイミングを探るのが好きなので、そういったこともあるかもしれません。あと、通常のプロデューサーさんはどうしても手堅い方向にいきがちなんですが、月刊『根本宗子』はプロデューサーも私がやっていて、よそでは考えないような企画をやって演劇の間口を広げたいと思っているので、そういうところに興味を示してくれる方は多いのかもしれません」
清さんは本格的な演技は初めて。それを根本さんに任せてみようと思ったのは?
清「過去にも何度か俳優としてのお話はいただいたんですが、そもそも興味がなかったので敬遠していたところもありました。今回はプロジェクトに対する興味というのも大前提としてあるんですが、それよりもお話をしてみて、言葉の端々や考え方にシンパシーを感じたところもあったし、僕でやりたいという強い気持ちを真摯にお話してくださったので、力を尽くしてみようという気持ちになれたということですね」