ケント・ギルバート氏がゴーン被告逃亡問題に言及【髙田横粂の世相談義】

ゴーン被告の主張とは

司法取引の観点から日産と検察の「陰謀論」には同調


 その一方で日本の検察については「脅迫と言っていいのかどうか分からないが検察の脅迫は有名」「何度も再逮捕するということは明らかに自白させるためだけのもの。彼が他の人たちと証拠隠滅といったことをするかもしれない、ということで長く拘束したいんだけど、現実問題としては告白させたいから」などと“人質司法”と言われるその取り調べの手法については批判した。

 またゴーン被告が会見で日産と検察の「陰謀論」を展開したのだがギルバート氏も「個人的には陰謀論説を信じている。ルノーと合併したくなかったので、西川さんたちがそれを止めるために事前に当局に相談して、こういうシナリオを作ったのではないかという気はする。1次資料は何もないし、陰謀論はあまり好きではないんだけど、そうでなかったらなぜ西川さんが刑務所に入っていないのか? 司法取引をしているのか? 西川さんは同じような報酬をもらっているので、司法取引をしていないのなら、なんで逮捕されていないのか? これは不平等。発表されていないだけで司法取引はしていると思う。それは裁判になったら明らかになると思うけど」と疑問を投げかけた。

 これには横粂氏も「司法取引に不自然なところがある。現状公表されているのは2名だけ。その方々は不起訴になっている」と同調。

 司法取引には自分の罪を認める見返りに形を減免する「自己負罪型」と自分以外の他人の捜査に協力する見返りとして刑を減免する「捜査公判協力型」の2つがあるのだが、日本で導入されているのは後者のみ。