食の第一人者たちが日本の食文化を世界へ広める「日本の食ミュージアム」を構想
またフランス・リヨンに2018年にオープンしたリヨン国際美食館も話題にのぼり、辻氏は「リヨン市が力を入れ何十社という企業も参加している、食をテーマにした体感型ミュージアム。もともとは病院だった建物を活用した施設。他にも5つ星ホテルなども入っている」と紹介。
すると小山薫堂氏は「世界からも人を呼ぶことができる施設となるには、国立であることも大きな意義を持つのでは。核となる国立の施設があって、その周辺に企業が参加するさまざまな食の施設がある、といった」と提案。農林水産省の末松広行農林水産事務次官も「国立のなかにも、独立行政法人が運営している場合もあり、大きなチャレンジではあるが可能性はあると思います」。辻氏が「もしスミソニアン博物館の食に特化したような施設が国立として日本にあれば、とてもかっこいいですよね」と言うと、一同も相好を崩し、議論はさらに白熱。ミュージアムの場所についても築地やお台場など、さまざまな案が浮上した。
進行役の一木広治氏(株式会社ヘッドライン代表、早稲田大学グローバル科学知融合研究所研究院客員教授)は「東京2020の跡地利用をどうするかといった話や、築地を食の街とするための場を作ろうという話もある。こうして出ているアイデアを形にして世の中に打ち出していけば実現の可能性も広がるのではないか。この議論を進化させていくためにもワーキングを継続していきましょう」と、さらなる議論に期待をよせた。
「BEYOND2020 NEXT FORUM 農林水産省ワーキング」第2回出席者:末松広行(農林水産省 農林水産事務次官)、小宮恵理子(農林水産省 食料産業局 食文化・市場開拓室長)、小山薫堂(放送作家、脚本家 株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ代表取締役社長)、軽部政治(株式会社オレンジ・アンド・パートナーズ代表取締役副社長)、辻芳樹(辻調グループ代表)、山本征治(「龍吟」代表)、小笠原治(株式会社ABBALab代表)、秋山具義(アートディレクター)、一木広治(株式会社ヘッドライン代表、早稲田大学グローバル科学知融合研究所研究院客員教授)※敬称略