【インタビュー】大泉洋 × 小池栄子　太宰治・未完の作が笑って泣けるロマンティックコメディーに！

ロマンス×人情喜劇の黄金コンビが誕生！

　そんな2人が今回、共演したのが映画『グッドバイ～嘘からはじまる人生喜劇～』。本作は太宰治の未完の遺作をもとにした舞台の映画化。小池は舞台版でもキヌ子を演じ“当たり役”と大絶賛されている。そんな小池にとって映画版で田島を演じた大泉の魅力とは？

小池「大泉さんは最高にチャーミングでした。舞台で共演させていただいた仲村トオルさんが演じる田島とはまた違った、大泉さんならではの魅力がありました。仲村さんの田島は真面目に信念を貫いている感じで、大泉さんはそれもありつつ、どこかはぐらかされているというか、いい意味で地に足のついていない浮遊感みたいなものがあって、すごく好きになっちゃいました。舞台では、キヌ子が田島を振り回している感じなんですけど、映画ではキヌ子が田島に調子を狂わされている感じがして。そういうパワーバランスになるとは、撮影前は予想していなかったので面白かったです。今思えば、それは相手が大泉さんだったから、というのもあったのかな、と」

大泉「僕は舞台のほうはあまり意識せず、映画としての『グッドバイ』として挑んだので、映画の台本をすべてとして、あまり先入観を持たずに演じていたという感じでした。いろいろな女優さんが演じる愛人たちと田島が“グッドバイ”していくというストーリーも魅力的で面白いんだけど、なかでもキヌ子は魅力的なキャラクターですね。普段は“担ぎ屋”で汚い格好をしていて、それが『プリティ・ウーマン』や『マイ・フェア・レディ』さながら、絶世の美女に変わる、という。この役を小池栄子さんが演じるということが、まず本作の勝利ポイントだと思います。小池さんにこんな一面があるんだ、こういう役を演じるんだということを映像で見せることができるという」

小池「田島のほうは大泉さんならではの魅力があふれていますね。憎めないかわいらしいところとか」

大泉「確かに田島ってかわいいですね。松重豊さんが演じる連行さんの作戦を、しかも絶対うまくいかないって、というような作戦を信じてやっちゃうところとか。連行さんのことを本当に信じて頼りにしていたんでしょうね。僕もわりと人を頼るタイプなので、信じている人に言われたらすがっちゃうかな」

小池「それに田島は人たらしだなと思う。もちろん大泉さんが役者として演じているうえでのことなんですけど、それでも大泉さんが持っている、もともとの人たらしさがあるんです。見ていて思わず笑っちゃうし、ふと泣けてきちゃうし…本当にぴったりな役。こうしてインタビューしているときに横で落書きをしていたりするし（笑）」