本屋のフェス「二子玉川 本屋博」ヘッドライナー 個性派書店を生み出す2人の「本屋の未来」会議

私生活ではよきパパの2人。森岡がベストセラーの大判絵本『MAPS』を使って草彅に独自の遊び方を伝授する場面も
 草彅は「本に関係するスペースはやりたいし、お手伝いしたいなと思うんですけど、ほぼボランタリーみたいな仕事になっちゃう。ちゃんとお金が回る世界を作るためには、どうしたらいいかもっと詰めていかないと」と業界の問題点を挙げる。森岡は「昨年夏に、腰を抜かすような本のビジネスがあったんです」と切り出し「上海で1週間に1冊、WEB上で著名な経済学者の人が本を紹介する読書会を訪問しました。ラインアップは哲学が多かったんですけど、そこで意見を交換する構成になっていて、会員数は2100万人。有料会員は1日1元で、あとで調べてもらったら690万人くらい有料会員になっている。計算すると1日1億円くらいキャッシュが入っている組織なんです」と驚きの取り組みを報告した。

 続けて「そこで気づきがあって、上海の九龍周辺の空き地にもう一つの上海を作るという話があるらしいんですよ。それで、もう一つ東京を作るという発想はないかな、と」と奇想天外なアイデアを披露。草彅のBUNDAN COFEE & BEERに海外客が多く、「海外の人のほうが日本文学を読んで影響を受けている」という話を引き合いに、森岡は「新しい東京と合わせたらいいんじゃないですかね。本屋プラス東京。新しい東京を本屋にもとづいて作る」。

 さらに「東京は神保町、ニューヨークだったらストランドブックストア、パリだったらシェイクスピア&カンパニーなど世界の成熟した都市にはその都市を代表するような書店があって、ある種の人々の心の拠り所となっている。そういう状況は非常に豊かだと思うんですよ」と持論を展開する。
 草彅は「本屋はまだ全然アップデートできる。喋るとパクられちゃうから喋れないだけ」と強調し、例として「本屋は出会いだと僕は思っています。出会い系ビジネスはすごく強くて、ネットと出会いと書店をかけ算すると最強の書店ができる」と、書店の未来に大きなヒントを投げかけた。
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