安田顕「壁ドンしてもらって決めたい」今夏、男が男に惚れる舞台



 大谷を除いた全員がゲイ。「男に惚れたエピソードはあるか」という質問に、登壇者はしばしのシンキングタイム。「それこそ、安田顕さまに惚れたなって思ったことがある」と川久保拓司。以前舞台で共演した際に舞台に対してのストイックな態度に背中を見て見習わなければならないと思ったそう。ただ「お酒が入ると、だらしないというか、どうしようもない。……そう思わせてくれるスキを作ってくれる。そういう先輩になりたいと」。すると安田が川久保と飲んでいた時に、屋台を支えていた棒に寄りってしまって屋台をつぶしたことがあるという。安田は「そういう時代でもないので、わきまえたい」。

 鈴木浩介も安田に惚れた1人?「飲んでるときにもう一杯いいですかっていうと、絶対ノーって言わない。器が大きいなと思います。来世では結婚しようと思っています」。

 そんな安田は「稽古中に壁ドンしていただいて、決めたいと思います。誰に一番惚れるかなって」と笑わせた。

 太田基裕は共演する渡部豪太に“落ちた”と告白。「ついさっきの話なんですけど、控室が一緒でして。初めましてなんですけど、“太田君、コーヒー飲む?”と声をかけてくださって、かなり優しい方だなと。その瞬間に落ちました」。渡部は「ベッドの横で2人でコーヒーを飲みました」と低い声を出した。

安田と鈴木のお酒エピソードに、「禁酒にしようかな……」と白井
 白井は演出のほか上演台本も手掛ける。白井は「50年以上前に書かれた環境と今は大きく変わっていると思うんですけど、そのなかでも変わらないものもあると思う。変わってきたもの、変わってきてないものということができる作品になれば」。

 初演当時と比べるとLGBTを取り巻く環境も大きく変わっている。「LGBTの世界で起きていることが知られるようになって共生していこうという社会になってきたと思っています。今は、障がいを持っていらっしゃる方に対しても共生していこうというような大きな社会の変動があるけれども、本当に?って思っているところがあって。どこか人間の本能、動物の本能として自分を守りたいというのがあって、どこかで社会的な、やっかいなベールがかかってきているんじゃないかと思っています。実は変わっていないんじゃないかと。変わったことによって起こってきていることが見えてきている。9人のお芝居で見せたいのは外の世界。中にいる人たちの人間関係が大きくうねっていくんですけど、そのなかから見えてくる外の社会を見せたい」。

 浅利陽介は「LGBTだけじゃなく、生きづらさをどういうところで思っているのかとかが共通点。見に来てくださるお客様が、明日の糧というか、僕も頑張ろう、明日もこれに挑戦してみようと思ってもらえたら」と、話した。

 本作は、1968年にオフ・ブロードウェイで初演され、2018年にはオン・ブロードウェイで、『ビッグ・バン・セオリー』のジム・パーソンズや映画『スター・トレック』シリーズのザッカリー・クイントなどLGBTであることを公言しているキャストで上演されて話題になった。

 会見には、馬場徹、富田健太郎も登壇した。

 7月18日に渋谷のシアターコクーンで開幕。その後、仙台、札幌、大阪で上演。8月27日から東京凱旋公演がある。

前列左から、浅利陽介、大谷亮平、安田顕、鈴木浩介、渡部豪太。後列左から、川久保拓司、太田基裕、馬場徹、富田健太郎
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