「無観客」開催の東京ガールズコレクションはやっぱり少し寂しかった

MCを務めたのは田中みな実と平成ノブシコブシの吉村崇。「声が響きますよ!」と、吉村 (C)マイナビ TOKYO GIRLS COLLECTION 2020 SPRING/SUMMER
 実際の会場の雰囲気も、普段のTGCのとはだいぶ様相が違っていた。おなじみの、アリーナ後方に立ち並ぶブースも今回はお休み。注目のファッションプログラムも、いつもならすぐ横まで観客が埋まり、サイリウムが輝きファンの歓声が飛ぶランウェイが、今日はムービーやカメラの撮影班のみで、会場全体も少し澄んでいるような印象だ。

 それでも画面の外にいる観客たちのために、ガランとした観客席に向かって手を振り、ウィンクを投げるモデルたち。いつもなら大物モデルが通った時により大きくなる歓声も、今日は聞こえない。ランウェイモデルたちにとっても、一つ試練のイベントとなったことだろう。アーティストやアイドルのライブステージでも、画面越しの視聴者に向かって「みんなでジャンプしよう!」などの投げかけがあり、その場にはいられなかった一般参加者たちが、一緒にライブに参加できるような工夫がされているようにも感じた。

 数日前に無観客でのイベント決行が決まり、イベントの運営も相当バタついたであろうことは想像に難くない。しかし、画面にはあまり映らなかったものの、演出などは予定していたままのものを活かした派手なステージングも目立った。広いアリーナの中で、ガランとした床に落ちていく風船やカラーテープ。誰もいないアリーナ席を照らすライティングは寂しいものがあった。やっぱり、TGCが生む熱狂や、何千ものサイリウムによって作られる明るい会場は、そこにいるはずだった観客が作りだすものなのだ。「TGCはお客さんの女の子たちもいてこそ成り立つものだ!」ということも改めて認識させられた。

乃木坂46は4曲をライブパフォーマンス(C)マイナビ TOKYO GIRLS COLLECTION 2020 SPRING/SUMMER
 異例とはなったものの、30回目となる東京ガールズコレクションは無事にフィナーレ。急きょ出演キャンセルとなってしまったアーティストやモデルもいたものの、当日はトークシーンなどでもアルコール消毒をする様子なども見られ、出演者たちも予防に努めていた。イベント内で行われた抽選による出演者とファンとの生電話でも出演者たちの体調を気遣うようなコメントがあがっていた。トイレにはうがい薬も設置されており、運営や出演者など、無観客でも予防に努めるような様子が伺えた。

(取材と文・ミクニシオリ)
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