「ポジティブな言葉としての“HOMESICK”」 伊藤万理華が、展覧会『HOMESICK』に込めた思い

伊藤万理華
 自身のターニングポイントになったタイミングは、「6年間在籍したグループを卒業したとき」。

「卒業間近に気づいたことだったのですが、アイドル時代に求められている自分と、好きなことをする姿や挑戦することをする姿に共感してもらえるよう、バランスよく両立しようと思いました。好きなことだけに没頭するのではなくて、今まで応援してくれた人にも、これから私のことを知る新しい人にも、共有できるような存在になりたいなって」

 作品を新しく生み出すとき、きっかけになるようなものはあるのだろうか?

「メンバーの一員だったときは、舞台や映像の仕事を通じて“役柄”としての自分を出す機会が多かったです。本来、自分が持っているありのままの部分を出す機会が少なかったので、それをどう出せばいいかということを卒業してから考えるようになりました。“HOMESICK”は、溜まっていた本来の自分を出す機会でもありました。自分の中の自由な部分がもっとあってもいいんじゃないかなと思うんです」

 父親はグラフィックデザイナー、母親はファッションデザイン関連という両親を持つ伊藤さんにとって、子どもの頃からモノを作ったり、何かを描いたりすることは珍しくないことだったという。「自然と影響を受けたんだと思います」、そう振り返る。

『伊藤万理華EXHIBITION “HOMESICK”』のフライヤーで伊藤さんが着ている衣装は、「お母さんと初めて共作したドレス」だという。一緒に映っている後ろ姿はお母さん? 「意味深な感じを出したかったんです。さて、どっちなんでしょう?(笑)」。いたずらっぽく笑う姿が、なんとも印象的だ。

 この後、大阪と名古屋を巡回するが、彼女の視野はまだまだ広がる。

「終わってからも楽しめたり、来ることができない人にも楽しめるようなコンテンツを作ることができたらいいなと考えています。例えばVR。その場にいなくても体感できるような作品やコンテンツを実現できたらうれしいですね」

 そういったアイデアを養ったり、実現したりするために、毎日の暮らしの中で大切にしていることは何だろうか?

「個展の制作中に、改めて気が付いたことだったのですが、外に出ていろいろな人とコミュニケーションを取ること。やっぱりそれが始まりになると思っています。何かを始めるとなったとき、“何をやるか”よりも“誰とやるか”ということの方が重要だと思いました。いま、この人と何かをやりたいという情熱があれば、きっと新しいものが生まれるのかなと思ったんですね。これからもそういう気持ちを大切にしていきたいです」
アクティブオーガニック「Be」presents「BeStyle」は、TBSラジオで、毎週土曜午前5時30分~6時にオンエア。radikoでも聴取可。詳しくはHPを参照。https://www.tbsradio.jp/be/

また、当日の模様は、以下のYoutube「Be Style」チャンネルからも視聴可能。あなたの「なりたい」が見つかるかも――。
https://www.youtube.com/channel/UCtEhEgJPGJQ9IX4y5vbmESw/featured

<<< 1 2 3