IOCのコーツ氏が新型コロナの収束について「日本を信じている」
会見に出席した組織委の森会長(左)と武藤事務総長(右)。モニターに映っているのはコーツ氏(Photo by Tokyo 2020)
サービスレベルを見直しコスト削減
またオリンピックアジェンダ2020に基づき、IOC、IPC、全てのオリンピック・パラリンピックムーブメント関係者と東京2020を含む日本側が共同で、サービスレベルの水準を最適化・合理化する施策を検討するとともに、延期によるコスト削減を図るものとなった。延期の原因となった新型コロナウイルスについては必要な対応策を大会運営計画に盛り込んでいくことも決まった。こういった2021年に向けた運営計画の詳細については4月に検討・調整を行い、5月にロードマップを固めていくという。
コスト削減についてコーツ氏は「競技内容、フィールドプレー、選手村に対して、アスリートたちが期待する質のレベルには何の影響も与えるものではない。アスリートに適用されるサービスにも何ら影響が与えられるものではない」と選手たちや競技への影響を否定したうえで「大会を主催するうえではいろいろな分野があるが、絶対に必要なものなのか、“あったらいいね”というレベルのものなのかを峻別していくということ」とその方向性を示した。
武藤氏も「サービスレベルを見直す必要がある。コスト削減のためにレベルダウンをする観点が必要。組織委員会についてはすべての分野についてサービスレベルの見直しをしていきたい。実際に契約したもの、実行したものは対象になりにくいが、今後、実行していくものについては厳しく節約していきたい」などと話した。
新型コロナウイルスの影響で日本経済の低迷が予想される中、コーツ氏は「日本にとっても東京にとっても2021年に大会を開くことは日本の経済にとっての刺激策になるということも考えられる」とし、安倍首相が1年の延期を提案してきたことについては「中止ではなく延期というのは必ず経済にプラスの刺激になると確信したうえで提案したんだと思う」などと語った。これについては安倍首相がそういったことを発言したわけではなく「私の予想。彼が本当に思ったかは私は知らない」とのこと。