まとめ買い野菜をムダにしない!中目黒の量り売り専門・八百屋さんに聞いた徹底活用術と心得

量り売りで産直野菜を販売する「HACARI」の片山由隆さん

“なんとなく買う”のはやめる



「スーパーに行くと基本的に、青果コーナーが最初にあります。そこで大抵、目についた安い野菜をなんとなくカゴに入れてしまうんですよね。とくに使う予定になかった野菜を安いからとりあえず買ってしまって結局ムダにしてしまった、なんてことがあるのでは。ちょっと面倒かもしれませんが、数日分のメニューをある程度決めて、どんな野菜をどれだけ使うか頭に入れて買い物をするのも1つの手だと思います」

 確かに、安いというだけでチグハグな買い方をしてしまうと、使わずじまいでも安かったからいいか…なんて思ってしまいそう。

「道の駅などで“こういう農家さんが、こういうこだわりで作った”という情報を知って買った産直野菜って、いつも以上にムダにしたくないと思いませんか? ストーリーがある野菜、何よりおいしい野菜と出会うことが一番じゃないかな、と思います。野菜だと、ちょっと高いと敬遠しがちですが、普段、自分がひと月にいくらぐらい野菜を買っているか、けっこう知らない人が多いんです。意外と月に5千円以上、使っていたりするんですよね。でも、それくらいあればネットで産直野菜を買えますよ」

 外出自粛の影響もあり、野菜のネット通販も増えている。HACARIでも産直野菜の定期便セットが好評だという。

「うちも、生産者の声を消費者に届けるハブになる場所として産直の野菜を量り売りできる店舗を作ったのですが、野菜セットの定期便も始めたところ、とても好評を頂いています。お届けする際には、それぞれの野菜について食べ方や保存方法などの情報も一緒にお送りしているんですが皆さん、それを参考に、届いた野菜をどう使うか真剣に考えてくださっているようです」

 野菜の魅力を知るためにも生産者や販売者とのコミュニケーションをより活用してほしい、と片山さん。

「野菜は種類も多く、新しいものもどんどん生まれています。知れば知るほど奥深くて、自由研究のテーマにしたらよい食育になると思います。うちでも今後、購入者の方とオンラインでやり取りできる仕組みを作ってみたいと考えています。昔ながらの八百屋さんと話す感覚でお客様とオンライン上でコミュニケーションをとれたらいいな、と。そうやって好きな野菜や生産者さんと出会って、野菜のことをもっと知りたいと思ってもらえたらうれしいですね」

 この機会に、野菜との向き合い方を見直してみるのもいいかもしれない。