【インタビュー】BOXER KIDが7年ぶりのソロアルバムリリース「やりたいことはやり切る」



ーーソロアルバムを制作した経緯はどのようなところにあったのでしょうか?

まず大前提として、MIGHTY JAM ROCKには僕も含めて3人のDee Jayがいるんですが、当初より「3人の歌い手それぞれがソロで魅せられてなんぼ」というスタンスを持っています。そんな3人がしのぎを削る形で成立させていくのが、MIGHTY JAM ROCKによるオリジナル・アルバムのスタイル。それだけに、それぞれが常に独自の動きも欠かしません。僕自身も自ら主宰するNAKAMARU RECORDSというレーベルを2013年に起ち上げており、そこで前作となる『BOXER KID MIX TAPE BY AKIO BEATS』をユニバーサルミュージックからリリースしていて、その延長線上に今作もあるんだと思います。

ーー7年ぶりにご自身のレーベルからソロ作品をリリースする意図はどこにあるのでしょうか?

昨年、改めて自分の人生や音楽への気持ちと向き合う機会があって、今回のプロデューサーであるAKIO BEATSとスタジオに入る形で制作をスタートさせました。これまで約20年近く音楽をやれてきた事実と合わせて、これから先を見つめ直した時、いつエンディングを迎えるかわからないなと感じたんです。だからこそ、できる内にやりたいことをやり切っておこうと思ったんです

ーー聴かせていただいた音源からはもちろん、強い想いの元に作られた作品だということが、今の言葉からも伝わってきます。アルバムに先駆けて配信された「名称未設定」は、どこか現代の闇をあぶり出すような曲調ですね。

何気ないタイミングで友人の1人にあるサイトを見せられて、こんな現状を歌にしてくれと頼まれて書き始めました。テーマがテーマなので表現が偏らないように、ストロングなビートでハードに乗せることを心がけました

ーー「STAND ALONE」は、アルバム発売直前の3月に配信されました。

BOXER KID「先日『COMBAT』というDee Jayクラッシュ(HIP HOPでいうフリースタイル・バトル的なイベント)があったんですが、その出場が決まってから闘いに挑む者の自問自答を描こうと作っていきました。感情を優先したかったのでレコーディングは一発録り、ミュージックビデオも臨場感を感じてほしくてライブ映像を使っています