緊急事態宣言延長でもリラックス!ロックダウン1カ月の英国の普通の暮らしからのヒント

人気のない地下鉄の駅から出てくる男性 写真:AP/アフロ
 3月23日からロックダウン(都市封鎖)の状況にあるイギリス。「STAY HOME」の呼びかけのもとに、外出できるのは食料など生活必需品の買物と日に1度の運動のみ、仕事は基本テレワークが決まりになっている。生活必需品を売る店以外のドアは閉められ、街や公園には警察官が立ち、不要不急の外出をする人たちに家に戻るよう警告したり罰金を課したりもしている。

 そんな中で4月16日、英政府は「少なくともこの先3週間」のロックダウン延長を発表。新型コロナウイルスに感染し、一時期はICUに入るも、公務に復帰したボリス・ジョンソン首相も、27日に改めて当面延長する考えを明らかにしている。


買物は週に1度「妥協と我慢は必要」



 ロンドンの日系企業で働くユリさんは現在、友人と3人でシェアする自宅でリモートワーク中。会社から持ち帰ったパソコンで業務をこなし、週に1度の生鮮食料品やパンなどの買い出し以外は自宅で過ごしている。

 さまざまな制限があるなかでの生活。何に不自由さを感じるかとたずねると、スーパーの入店制限だという。店内の”密”な状況を避けるために、一度に買物をする人数を制限。買い物客が店の前でソーシャルディスタンスを保って列を作る光景はニュース報道でもよく目にする。

「スーパーごとに好んで購入するものが別々にあるので、以前は、いくつかの店舗をめぐるのが当たり前でした。でも今は時間的な効率と感染予防を考慮すると1店舗で済ます必要があると思っています。購入するものに関しては入手できる範囲の中から選ぶ妥協と我慢は必要。好きな時に好きな物を制約なく購入できる生活に戻れる日が待ち遠しいですね」


テレワークで「作業効率自体はアップ」



 ロックダウンが始まってからテレワークをしている。働き方の変化については「出勤の必要がなくなったことが、結果としてかなりの時間の節約になって生活に余裕が出来ています。正直、このままずっとテレワークが続いてくれることを望んでしまうくらい快適さの方が勝っています」。

 新型コロナウイルスの影響で仕事量は以前よりも増えているそうだが、「ロックダウン以前よりもむしろストレスは減っているように思います。労働時間そのものは普段に比べかなり長くなってしまっているのですが、24時間をうまく振分けて気分転換しながらマイペースで進めていけるので、作業効率自体はアップしていると思います」と話す。

 仕事に関してが良い影響が大きいようだが、心配事はもちろんある。「友人の中には既に解雇されたり給与保障期間が完了し無給期間に突入したりしている人もいる」という。そのうえで「何よりも日本の将来は心配でならない。すでに他国で先行して起こっている事態から何も学んでいないだけでなく国民の命よりも経済に重きを置く後手後手の政策には失望しかない。日本にいる家族や友人の健康と今後の生活を危惧しています」と、付け加えた。

 新型コロナウイルスの問題が収束したら「当たり前だけれども気兼ねない外出をしたいです。現在閉店をしているお気に入りの飲食店で友人と食事をしたい」と、ユリさん。それができるまでは、まだしばらくかかりそうだ。