緊急事態宣言延長でもリラックス!ロックダウン1カ月の英国の普通の暮らしからのヒント

スーパーマーケットの前でソーシャルディスタンスを保って列を作る人たち 写真:AP/アフロ

「止まっていたカーペット張りを終えた」



「8月のエディンバラフェスティバルも中止になったんだよ」と言うのは、スコットランドのエディンバラ郊外に暮らすマークさん。ほとんどの商店はシャッターを下ろし、街は停滞して、明るいニュースを見つけるのは難しい。それでも「ロックダウンになって時間ができたから、途中で止まっていたカーペット張りを終えたよ」と、笑う。

 マークさんがロックダウンになることを知ったのは、毎朝仕事前に通っているジムからのメールだという。3月23日に閉鎖の知らせを受け取った。「仕事前のトレーニングが日課になってきていたので、すごく残念に思いました」

 勤務先ではネットワークを担当。当初は職員がリモートで働けるようにする準備のために奔走した。いわゆるエッセンシャルワーカーにあたるため、ロックダウンに入ってもしばらく通勤を続けていて、その間は以前の普段の生活とほとんど変わらなかったという。ただ今はその業務も落ち着き、自宅でリモートワーク。

「考えてみると、不自由だなと思うのは食料や生活必需品を買うためにスーパーの前で列を作って待つことぐらい。この間は40分待ちました。それ以外は、欲しいものはちゃんと手に入りますし問題はないです。一時期は混乱もあって、手の消毒用アルコールを段ボールごと買っていこうとするような人を見かることもあったけれど、今はそれもないですよ」
 

日光浴をしながらビールで乾杯



 自宅では、前述のDIYや、読書や音楽を聞いたりして、リラックスして過ごしているという。

「天候がいい時期なので外出できないことは残念だけど、庭にチェアを出してビールを飲んだり、庭ごしに隣の人とあいさつしたりコミュニケーションも取れる。ロンドンのような大都市で暮らしている人たちは大変だろうなと思います。報道されるように、公園に人が出て集まってしまうのも分からないわけではないですね」

 目下の悩みはトレーニング用のローイングマシンを購入するかしまいかということだと笑う。運動不足解消のためか、インターネットのECサイトでは入荷待ちの表示が並んでいるという。「収束したら旅行かな。それよりも、まずはジムに行きたいね」。


 イギリスでも日本でも、それ以外の世界各国でも、感染者も医療関係者も、政府も、個人もそれぞれが役割をまっとうして新型コロナウイルスと闘う。この戦いは長期戦。自分のベストな乗り越え方を考えたい、もちろん「緊急事態宣言」の制限のなかで。

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