深川栄洋監督「今の映画やテレビは、難しい針の穴に、皆が一生懸命に糸を通そうとしている感じがする」
今年、深川監督は「standardfilm(スタンダードフィルム)」なる合同会社を設立。“深川栄洋の映画を制作するための会社”と題されたスタンダードフィルムとはどんな映画会社なのか。要さんも興味津々だ。
要:どういう思いでスタンダードフィルムを設立されたのですか?
深川:僕は、自主映画出身です。商業デビューしてから、ちょうど15年が経ちました。憧れたところに立っているかもしれないのですが、ちょっと景色が違うなとも思うんですね。
要:そうなんですか!? こんなにヒット作を連発しているのに。
深川:何をおっしゃいます(笑)。 僕が自主映画を作っていたときに使っていたカメラのフィルムのサイズ(スクリーンサイズ)が、16ミリフィルムのスタンダードフィルムサイズでした 。昭和のテレビ、4対3の横縦比の画面サイズですね。スタンダードフィルムを使っていた頃の、がむしゃらだった時代の自分に立ち返りたいという思いがありました。商業映画というのは、「この監督に撮ってほしい」とオファーがあって成立する職業です。でも、もともと僕は自主映画で誰からも頼まれていない映画……自分が作りたい映画を作っていた。再び誰にも頼まれていない映画を、ゼロから作り始めてみたいなって思ったんですよね。
要:社名のスタンダードフィルムというのは、そういう意味が込められていたんですね。昔の時代の思いを覚えているって素敵ですね。
現在、スタンダードフィルムは第一弾作品となる『光福』を制作している。資金は、クラウドファンディングによって集められた。「40歳になると、父や母の介護であるとか、これからぶつかる悩みや起こるであろう物語が、若いときとは違います。40を過ぎた物語を作ってみたいなって思っていたんです」。そう深川監督は、15年ぶりとなる自主制作映画への思いを語る。
要:まったくマスに寄せていない作品になるんですか?
深川:とってもドメスティックな作品です。誰が見るんだろうっていうような作品を作ってやろうと。スタッフも僕を入れて4人だけです。
要:え!? 制作さんもいないんですか?
深川:僕がやっています(笑)。宿を手配したり、コーヒーを作ったり、僕が。みんなで合宿生活のように撮影していて。演者も私の妻(ホーチャンミさん)をのぞいて、撮影地の長野県でオーディションをした一般の方々ばかり。でも、とっても面白いです。面白い。
要:すごいなぁ。そう思っていたとしても、実際に行動に起こすんだからすごい。実際に初心に戻られた今、監督からは昨今の映画界ってどのように映っていますか?
深川:映画界だけではなくて、テレビも含めたマスメディア全体の話だと思うんですけど、自信をなくしているなと感じています。
要:自信をなくしている?
深川:うん。昔、僕らがワクワクして見ていた映画やテレビ、ラジオって生き生きと自信を持って作られていた気がするんです。でも、この5年、10年ぐらいは、皆さん、顔色を伺いながら内向きに作っているような気がするんですよね。そういった空気のものではないものも作りたい、そんな気持ちもあってスタンダードフィルムを立ち上げた部分もあります。
要:たしかに、かつては監督って絶対的で、「これがやりたいんだ」っていうものがあった。でも、今は何となく誰かの目を伺いながら作っている時代になりつつある気がしますね。
深川:より難しい針の穴に、皆が一生懸命に糸を通そうとしている感じがするんです。僕が自主映画を作っていたときって、「意味が分からない」なんて具合で怒られることも多かったんですけど、怒られているぐらいがちょうどいいのかなって(笑)。映画を作って怒られるということを、もう一回やっていきたいと思っています。
最後に、「なりたい自分になるために 毎日の暮らしの中で大切にしていることは」と要さんが尋ねると。
深川:迷うときは難しい方を選ぶ――、ことを考えています。迷うときって二つ以上の選択肢があって、どれを選んでも悪くないから迷うんだと思うんです。だったら、迷ったときは難しい方を選択すれば、一生懸命になることができる時間も長くなる気がする。乗り越えられるか、その際(きわ)の部分で尻込みをしてしまうのであれば、「よしやろう」と難しい方を選ぶことが大事だと思います」
要:どういう思いでスタンダードフィルムを設立されたのですか?
深川:僕は、自主映画出身です。商業デビューしてから、ちょうど15年が経ちました。憧れたところに立っているかもしれないのですが、ちょっと景色が違うなとも思うんですね。
要:そうなんですか!? こんなにヒット作を連発しているのに。
深川:何をおっしゃいます(笑)。 僕が自主映画を作っていたときに使っていたカメラのフィルムのサイズ(スクリーンサイズ)が、16ミリフィルムのスタンダードフィルムサイズでした 。昭和のテレビ、4対3の横縦比の画面サイズですね。スタンダードフィルムを使っていた頃の、がむしゃらだった時代の自分に立ち返りたいという思いがありました。商業映画というのは、「この監督に撮ってほしい」とオファーがあって成立する職業です。でも、もともと僕は自主映画で誰からも頼まれていない映画……自分が作りたい映画を作っていた。再び誰にも頼まれていない映画を、ゼロから作り始めてみたいなって思ったんですよね。
要:社名のスタンダードフィルムというのは、そういう意味が込められていたんですね。昔の時代の思いを覚えているって素敵ですね。
現在、スタンダードフィルムは第一弾作品となる『光福』を制作している。資金は、クラウドファンディングによって集められた。「40歳になると、父や母の介護であるとか、これからぶつかる悩みや起こるであろう物語が、若いときとは違います。40を過ぎた物語を作ってみたいなって思っていたんです」。そう深川監督は、15年ぶりとなる自主制作映画への思いを語る。
要:まったくマスに寄せていない作品になるんですか?
深川:とってもドメスティックな作品です。誰が見るんだろうっていうような作品を作ってやろうと。スタッフも僕を入れて4人だけです。
要:え!? 制作さんもいないんですか?
深川:僕がやっています(笑)。宿を手配したり、コーヒーを作ったり、僕が。みんなで合宿生活のように撮影していて。演者も私の妻(ホーチャンミさん)をのぞいて、撮影地の長野県でオーディションをした一般の方々ばかり。でも、とっても面白いです。面白い。
要:すごいなぁ。そう思っていたとしても、実際に行動に起こすんだからすごい。実際に初心に戻られた今、監督からは昨今の映画界ってどのように映っていますか?
深川:映画界だけではなくて、テレビも含めたマスメディア全体の話だと思うんですけど、自信をなくしているなと感じています。
要:自信をなくしている?
深川:うん。昔、僕らがワクワクして見ていた映画やテレビ、ラジオって生き生きと自信を持って作られていた気がするんです。でも、この5年、10年ぐらいは、皆さん、顔色を伺いながら内向きに作っているような気がするんですよね。そういった空気のものではないものも作りたい、そんな気持ちもあってスタンダードフィルムを立ち上げた部分もあります。
要:たしかに、かつては監督って絶対的で、「これがやりたいんだ」っていうものがあった。でも、今は何となく誰かの目を伺いながら作っている時代になりつつある気がしますね。
深川:より難しい針の穴に、皆が一生懸命に糸を通そうとしている感じがするんです。僕が自主映画を作っていたときって、「意味が分からない」なんて具合で怒られることも多かったんですけど、怒られているぐらいがちょうどいいのかなって(笑)。映画を作って怒られるということを、もう一回やっていきたいと思っています。
最後に、「なりたい自分になるために 毎日の暮らしの中で大切にしていることは」と要さんが尋ねると。
深川:迷うときは難しい方を選ぶ――、ことを考えています。迷うときって二つ以上の選択肢があって、どれを選んでも悪くないから迷うんだと思うんです。だったら、迷ったときは難しい方を選択すれば、一生懸命になることができる時間も長くなる気がする。乗り越えられるか、その際(きわ)の部分で尻込みをしてしまうのであれば、「よしやろう」と難しい方を選ぶことが大事だと思います」
【番組INFO】
アクティブオーガニック「Be」presents「BeStyle」は、TBSラジオで、毎週土曜午前5時30分~6時にオンエア。radikoでも聴取可。詳しくはHPを参照。
https://www.tbsradio.jp/be/
また、当日の模様は、動画配信にて以下の「要潤公式チャンネル」からも視聴可能。
あなたの「なりたい」が見つかるかも――。
https://www.youtube.com/channel/UCkBTutqUvWTad0UHMAwieMg/featured
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