「なぜ満員電車はよくて映画館はダメ?」映画人がウィズコロナ・アフターコロナの映画上映を模索



 自粛要請解除後も映画館ではソーシャルディスタンスを保つため入場者を制限するなどの感染対策を行っている。カンヌ国際映画祭など世界の代表的映画祭で短編作品が上映された平林監督は「なぜ満員電車が良くて映画館がダメなのか。一度、映画業界がお金を出し合って科学的に検証してみてもいいのでは」と提案。

 また、毎年6月に行っていた開催を秋に延期したSSFF & ASIA代表の別所は、海外の映画人ともコンタクトをとるなか「やはり海外のクリエイターたちも日本と同じ状況に直面し、同じようにチャレンジしている。今は行き来はできないけれど、映画でつながっていることも感じられた」と語った。

 オンラインで広がる可能性を見すえつつ、映画館の大スクリーンで映画を見る意義や、多様な出会いがある映画祭の役割などについて熱く語り合った一同。トーク後の質疑応答で、若手クリエイターから無名時代について質問された行定監督は「楽しいことをやってていいよねと言われるけど、その分こうしてリスクもある。僕は映画で飯が食えなくなったら新聞配達をすればいいと今でも思っています。それでも映画を作りたい。その覚悟があれば伝わる作品が作れるはず」とエールを送った。

 この日は、SSFF & ASIAの映画祭アンバサダーLiLiCoもサプライズで登場。「私も、母国語ではない日本語で仕事をしていて、放送禁止用語を使って突然、干されることもあるかもしれない。2年間くらい食べていけるように仕事を持っている」と明かし、笑いをさそっていた。

 SSFF & ASIA「Withコロナ & Afterコロナの映画業界を考えるオンライントークセッション」第2回は6月18日、最新作『本気のしるし』が今年のカンヌ映画祭のオフィシャルセレクションに選ばれた深田晃司監督を迎え公式YouTubeチャンネルにて配信。
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