川村壱馬(THE RAMPAGE from EXILE TRIBE)あこがれのLAで向き合った、等身大の自分 



理想の自分を演じる “等身大”の自分



 海辺で、街で、ロサンゼルスのさまざまなロケーションで、ポーズをし、表情を作り、笑った。ページを繰ると、さまざまな表情が現れる。クールなもの、ナチュラルなもの、少年のような無垢な表情もあれば、1人の男の顔もある。

「普段から自分は、“こういうふうになりたい”と思って生きています。もともとコンプレックスの多い人でもあるので、こうなりたいという理想像を思い描いて、コンプレックスを受け止めて向き合い、1つずつ消していっているんです。そうしていくなかで自分が、理想の“川村壱馬”を演じているところもあるのかなと思います。そうすることで目標に向かっている途中の自分もまた等身大の川村壱馬なんだと思いますし、それもアリ。全部が自分なんだよなって。撮影するなかで、そんな感覚を覚えました」

 エッセイでは、写真が川村を誠実に映し出したのと同じように、文字で川村を綴る。

「写真もそうでしたがエッセイにしても、ありのままを、誠実にというところは、ありましたね。生い立ちを含め、夢を追ったときの自分の行動や気持ち、今の気持ち、そして未来に向けてと、思い描いていたようにカテゴライズして構成できていると思います」

「壱馬」という名前を気に入っていること、子どもの頃の夢、「EXILEになる」という夢、というよりも“目標”へと向かった自分自身について、THE RAMPAGEのボーカルとして活動する自分自身について、そしてこれから――。詳しくはエッセイで読んでもらうとして、これまで川村が語ることがなかった個人的な部分を、飾ったり盛ったりせず、誠実に記している。

「自分のことを深堀りして、グループ活動の枠では語れないことも語らせていただける機会だったので、すごく良かった」と、川村は満足そうだ。

 フォトエッセイ集が発売されるとすぐに7月。全国的に緊急事態宣言は解除されたものの現時点では、音楽ライブの状況については依然として“待ち”の状態でなかなか見えてこない。もどかしいが、川村はほかのアーティスト同様、動き出すときのために備えている。

「歌うことに触れられない状況が続いて、一瞬ですけど、分からなくなった瞬間があったんです。僕は歌う場所がないと鼻歌程度でも歌ったりしないので、どんどん離れていく自分がいて、“あれ、自分は好きでやってるんだよな”って、ちょっと怖くなった。今は自分の中で好きっていう事で落ち着いていますが(笑)、ステージがあって歌わせてもらうことって、すごく大きいことだって思います」

「何もできていない分、エネルギーはたまってます」と、川村。自粛期間中には苦手なトレーニングにもトライしようとしたと笑った。「応援してくれる人たちに、蓄えたエネルギーを返すようにやっていきたい」。川村は、静かに燃えている。

(TOKYO HEADLINE・酒井紫野)
川村壱馬  フォトエッセイ集『SINCERE』

 16人組ダンス&ボーカルグループ、THE RAMPAGE from EXILE TRIBEのボーカルを務める一方で、「PRINCE OF LEGEND」シリーズ、『HiGH&LOW THE WORST』など俳優として活躍する、川村壱馬の初めてのフォトエッセイ。アーティストとして俳優として、そして一人の男として真っすぐに生きる川村の姿を誠実に収めた。あこがれの地であるロサンゼルスで撮影した写真と、川村の思いを誠実にしたためたエッセイで構成した。幻冬舎より6月23日発売。特別限定版メイキングDVD付は2600円、通常版は2400円。ともに税別。
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