ふかわりょう、大橋未歩が語る『5時に夢中!』の魅力とは?

 TOKYO MXの夕方に放送されている「5時に夢中!」は同局の代名詞ともいえる看板番組だ。辛口のコメンテーターが時事問題に鋭く意見したかと思えば、全くどうでもいいような話題についても延々と議論する。その振り幅の大きさと自由さに病みつきとなる視聴者は多い。そして同時に思うのはあれだけのコメンテーターを仕切るのは大変なはず。ということで8年にわたってMCを務めるふかわりょうと4月で1年を迎えたアシスタントの大橋未歩に話を聞いた。
大橋未歩(左)とふかわりょう(撮影・蔦野裕)

ふかわりょう「“話が転がる”というけど、ここの場合はラグビーボールが転がっている」


 同番組もご多分に漏れず、5月7日に生放送が再開してからコメンテーターの出演がリモートとなっている。“慣れ”のようなものはありますか?

 ふかわ「慣れといえば慣れかもしれないですし、コツと言えばそういうものを得てきているかもしれないですけれど、普段使わない筋肉や神経を使いますよね。それはリモート側もそうだと思うんですけど」

 大橋「慣れていきたいな、とは思っているんですけど、慣れていったはずが急にゼロになるのが『5時に夢中!』のいいところかなと思います(笑)。先日、リモート出演者3名の回線全てが同時に落ちてしまったりとか。そういうハプニングがあったりして、私は月~木曜に出演しているんですけど、毎日新鮮です」

 毎日、何かしらのハプニングが起こる?

ふかわ「昭和のテレビは突然“しばらくお待ちください”という画面になることが多かったんですよね。子供ながらに理由はよく分からないけど“テレビって時々そういうものがあるな”って思っていたんですが、この前の回線が全て落ちるというのはかなりそれに近いものがありましたね。ああいう突然無機質な状態になるというのは久しく見ていなかったな、と思うのと同時に“こういうのでいいんじゃないかな”とも思いました。特に昨今、テレビに正義だったり正しいもの、ちゃんとしているものを求める傾向があるけど、テレビってこれくらいルーズでいいんじゃないか、って改めて感じましたね」

 そういうアウトロー的な考え方はふかわさんの中にもともとあったもの?

ふかわ「後付けだと思います(笑)。5時夢の場合はあくまで予算とかいろいろなものの関係で“あえて”じゃなくて、これしかできないという(笑)。いや、“しか”はおかしいですね。結果として、そういう意味では時代の中で存在感の大きいものにはなりましたけれども、全部後付けで言っているだけ(笑)。選択したわけではないです。でも、やっぱり少なからず、これを良しと思っている演者たちが集まっているというのは間違いないかもしれないです」

 お2人が考える『5時に夢中!』の魅力、見どころとは?

大橋「予定不調和ということだと思います(笑)」

ふかわ「同意見です。5秒後のことを誰も分かっていない(笑)」

大橋「例えば月曜日に“マツコとフミエのもっとやっつけ晩御飯”というコーナーがあるんですけど、その日はうどんがメインのメニューを紹介することになっていたのに、パッと見たらうどんがなかった(笑)。本番中に“うどんはどこ?”って探すさまがすべて放送されているという(笑)」

ふかわ「その一方でカメラがそんなに多くないから、座る位置なんかはすごく微調整されるんです(笑)。全体はめちゃくちゃざっくりしているのに、座る場所は“もう5ミリこっち”みたいなすごいデリケートな面もあったりします(笑)。このチグハグ感がいいんでしょうね」

 ふかわさんはMCを務めてもう8年。完全に生活の一部になっている?

ふかわ「生活のリズムになっていますね。今回、コロナで番組を休止した時、瞬く間に曜日感覚やリズムが崩壊していったのが自分でもびっくりしました。カレンダーを見ても体が認識しなかった。ここに来ることや、マツコさんに会うことだったりで、生活のリズムが成り立っていたから、それが絶たれた時に生活がおかしな感じになりましたね」

 ふかわさんは他でも司会やMCをやることも多い。『5時に夢中!』ならではの面白みや苦労なんかは?

ふかわ「しいて言えば、よく“話が転がる”っていうじゃないですか。他の番組でもそういうことは多いんですけど、ここの場合は転がるのがラグビーボールなんですよね。そういう転がり方をするので、腰が痛いです(笑)。こっちで待っていても来ないという場合もあって“ああそっちに行ったか”みたいな時は取りに行くのをあきらめる時もあります。でもそれはそれで楽しいんですよね」

 ふかわさんがあきらめたら大橋さんが取りに行かないとダメなんですよね?

大橋「いえ、私も“ふかわさん、あきらめたな~”と思って次のコーナーに行きます(笑)」

 普通の番組だったら拾わないといけないのでは?

ふかわ「でも、大橋さんには“よろしくね”というときも多々あるので助かっています」

大橋「そこで生まれる変な間みたいなものが中毒性があるんですよね(笑)」
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