Tリーグの松下チェアマンが退任を正式表明。「完全燃焼。今となってはいい思い出しかない」

2018年10月24日のTリーグ開幕戦。これまでの卓球のイメージを大きく変えた(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

「“卓球を見る文化”を植え付けることができたのではないかと思う」


 松下氏が退任を決めたのは5月。現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響で、Tリーグも3月に予定されていた2年目のシーズンのプレーオフファイナルが中止になるなど、激動の時期での退任になるが、これについては「どちらかといえば私の中では前向きに考えている。今後、新体制になるにあたり、日本卓球協会の協力をたくさん得られる形が取れると思うので、理念に沿って私たちが目指すところに早い段階で近づいていってくれるのではないかと思っている」などと前向きにとらえているよう。

 結果としてチェアマン最後のシーズンでプレーオフファイナルが行うことができず、途中で終わってしまったことについては「私の中では途中で終わっているということはなく、Tリーグが始まって2年間完全燃焼したし、その前に8年間、立ち上げ事業にかかわった。“10年ひと仕事をやると一人前”と昔から先輩に言われていたが、そのひと仕事を達成できたかなというところはあるので、自己満足かもしれないが、前向きな感じで終えることができたと思っている」などと語った。

 この2シーズンについては「世界のいろいろな国々からトップの選手が日本に来て、初年度から世界一のリーグとしてやることができたのは良かったと思っている。日本では卓球をすることはすごく普及していたが、見る文化はなかなかなかったなかで、新しい“卓球を見る文化”を植え付けることができたのではないかと思う」と成果を挙げる一方で「もっともっとお客様に会場に足を運んでもらいたかったというのはある」と今後の課題も挙げた。