あなたの隣にもいるかもしれないLGBTsの生き方に迫るドキュメンタリー『らしく~My Story~』

 TOKYO MXで放送中の『らしく~My Story~』は日本で人口の10%といわれるLGBTsの当事者たちの生き方に迫るドキュメンタリー。LGBTsを扱う番組はもちろんこれまでにもあったが、地上波でレギュラー放送されるのは多分初めて。この番組は、すべての人が当たり前に自然体で生きていけるような社会創生に向けた活動を行う「自分らしく生きるプロジェクト」と連携したものなのだが、このプロジェクトの監修を務める村上ひろしさんと井上健斗さんに番組のこと、LGBTsを取り巻く環境などについて聞いた。
村上ひろし(左) ゲイ専門雑誌「バディ」(ゲイのバイブル的な雑誌)の編集長を務め、現在はLGBTs向けウェブメディア「newTOKYO」の編集長を務める。セクシュアリティはゲイ。  井上健斗(右) 1月に放送された「らしく#1」に出演。女性から男性へ性的合手術をした経験から、同じ思いで悩む人のために無料相談にのり、性同一性障害のポータルサイトを作っている。セクシュアリティはトランスジェンダー。(撮影・堀田真央人)
 こういった番組がレギュラーで放送されるというのはこれまでにはなかったこと。番組を作ると聞いてどう思いました?

村上「率直にうれしいと思いましたし、すごいなと思いました。LGBTsを扱う番組ってニュースや、何かの番組のシリーズの一つだったりすることが多かったんですが、レギュラーという形で月に1~2回定期的にやるというのは、自分の中では初めてではないかと思うんです。それは率直にうれしく思いました」

井上「僕もそうですね。LGBTsの当事者たちの生き方をシンプルに可視化できる。テレビはそのためには一番いいメディアじゃないですか。テレビでそういったことを出せるなんて素晴らしいと思いました」

村上「この番組の新しいところは登場する人たちがタレントではないということなんです。テレビってにぎやかしで消費されやすいんですけど、そうではなく一般の社会の中で生きている、ストレートの人が知らないだけで、あなたの隣にいるかもしれないような人が出ている。そういう人たちに目を向ける形のものをやりたいといわれたので、監修としてお手伝いしたいと思いました」

 井上さんは出演にあたって躊躇などは?

井上「全くありませんでした。もともと僕の会社はトランスジェンダーの方のトータルサポートをしています。僕も当事者なんですが、そういう人たちがより自分らしく生きたりとか、トランスジェンダーだからあきらめなければいけないことがあるというのは個人的に悔しく思っていて、それを払拭するというか、世の中を変えたいという目的を持って会社をやっているんです。だから可視化するということはすごく大事だと思っていましたし、もともとうちがやりたいこととマッチングしていたので、全く躊躇はなかったです」
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