SSFF&ASIA2020 U-25部門で輝く未来の才能たち!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 出演させていただくACTOR’S TRIBE ZIPANGプロデュースの「シーボルト父子伝~蒼い目のサムライ~」が本日(8月19日)からスタートします。

 こちら、4月に上演のものだったのですが、新型コロナウイルスの影響で延期となっていたもので、関係者の皆様のおかげで幕を開けることができたものです。頭が下がります。

 感染防止のさまざまな対策を取っていますので、ご興味のある方はぜひ。

 今週は鑑賞記なんですが、普段とちょっと趣が違います。

 あと相談も募集中です。
黒田勇樹
 20年を超える歴史を持つショートフィルム映画祭ショートフィルムフェスティバル&アジア。

 今年は感染症の影響で6月から9月に開催時期を変更し行われるのですが、このコラムを掲載させて頂いているTOKYOHEADLINEもメディアパートナーとして参加をしているので、ちょっと皆様より先に何作か拝見させて頂きました。

 今回はU-25という25歳以下の監督に限った若者たちの登竜門と呼ばれる部門から2本、紹介させて頂きます。(※編集部注。こちらの2作は黒田さんに見ていただいた後、一般の方も配信で視聴できるようになっております)

 なんと2本とも中学生監督による作品!

 何を隠そう、現在では映画監督もしている僕も、やっぱり中学生の時には友達を集めてビデオカメラを片手に、作品を撮ってたんですが…お面被ったり棒振り回してるろうに剣心の実写化とかでしたよ!

 それを彼らは、中学生の時からきちんと「コンペに出す為の作品づくり」をして、110以上の国から応募された5000本の中からの200本に選ばれた!

 凄いことですよ!

 まず1本目は「おかえり太郎」

 シンプルで基本的なカット割りながら、この「基本」をきちんと守れてるのが本当に凄い。

 38年芸能界にいる僕でも「あれ?次はどっち向きを撮らないと画が繋がらないんだっけ?」とか、編集の時に「引きのカット撮っとけば良かった!」とかよくあるのに、本当に丁寧に、しかもコメディの中でサスペンスの撮影技法も使って撮られている。

 ストーリーは「もうひとひねり欲しいかな?」と思いましたが、大変笑わせてもらいました。


 次は「時を大切に」

 荒唐無稽に見える“タイムスリップ”もののコメディなんですが、そのストーリーの構成が素晴らしい。「美しいストーリー」の形のひとつに「主人公の個人的葛藤が、世界の問題にも影響する」みたいな構造があると言われているんですが、それがきちんと行われていて、その上で約5分という時間の中で、主人公が成長を見せる。

 画のチープさも上手く笑いに持って行っていて良作でした!


「動画」というメディアが短くなった今、こういった新しい才能はどんどん出てくると思うので、今回のSSFF、チェックしとかないと時代に乗り遅れそうです!
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

<最近の黒田くん>


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