7年8カ月にわたる安倍政権。いったい何を残してくれたのか?

2007年9月12日、1回目の辞任会見の安倍首相(写真:AP/アフロ)

最大の実績は長期安定政権?


 連続在任期間のトップ5は安倍首相以下、佐藤栄作、吉田茂、小泉純一郎、中曽根康弘というもの。

 佐藤氏には日韓基本条約成立、沖縄返還、非核三原則を表明、吉田氏には日本国憲法施行、サンフランシスコ講和条約締結、日米安全保障条約締結、小泉氏には日朝首脳会談、日朝平壌宣言、郵政民営化、中曽根氏にはプラザ合意、行財政改革、三公社民営化といった長期政権ならではの実績が並ぶ。

 それでは第二次安倍政権はどうだったのか? それまで短期政権が多かった日本の中で長期安定政権を築いたという功績はあるものの、それ以外では果たして何があったのか。

 まずは前出の経済政策、そして日米同盟の強化といったところか。

 2014年7月に閣議決定で集団的自衛権の行使を容認。こういった日本の安保政策を大きく転換する事案を閣議決定で解釈の変更を行ったことから、そのプロセスの強引さには批判の声が高まった。同年12月に施行された「特定秘密保護法」と合わせ、安倍首相の政権運営や憲法観に危機感を持つ若者らによる大規模なデモも頻繁に起こった。