松雪泰子 映画『甘いお酒でうがい』主演! あのネタキャラが切なくも愛おしい等身大の40代ヒロインに!


 佳子の存在を通して、大九監督とも女性として生きることについての話をしたという。

「撮影現場の合間によくお話させていただいていたので自然と、そういう話題にもなりました。監督ご自身のお話なども伺うことができて、とても大切な時間になりました。大九監督は、女性をチャーミングに、愛すべき存在として大切に表現したいと思っていらっしゃる監督。なかでもユーモアをとても大事にされているのがすてきだな、と。私自身も、生活の中で、どんなこともなるべく面白がって生きていたほうがいいなと思っている人間なので、一緒にお話ししていてすごく楽しかったです。また、監督は海外のように、この年代の女性が主人公の映画を日本でも増やしたいとおっしゃっていて、私もすごく応援したいと思いました」

 40代女性の生身を感じさせる場面の1つが佳子のベッドシーン。

「あの振り切り方が佳子さんぽいなと思いました。同時に、こういう表現もするんだと、またそこも、じろうさんに感心しました」


 松雪は大胆に脚を見せ、情事後に裸体で横たわる姿を表現。

「あれもまた彼女の一面を見せているシーンだから、私も必要な描写だと思いました。あの場面、佳子にとってはああいうことは別に大した事ではなく、なんならしなくてもよかった、くらいの感じだと思います。退廃的にすらなっていない。何の感情もなくただ無機質に相手を眺めている。彼女のドライな一面を表現しているシーンですね。それと同時に佳子は、こんなことをしても何にもならないし、心の隙間が埋まるわけでもないと分かっている。それで傷つくことも分かっているくせに、気にしていないかのように振る舞っている。それが、裸でただそこにいる、その姿から伝わってくるんです」