コンペのない新形式で開催『第33回東京国際映画祭』【秋の映画祭特集2020】

TOKYOプレミア2020/オープニング作品『アンダードッグ』©2020「アンダードッグ」製作委員会

コンペ部門の視点も残した新作ショーケース部門


 毎年、東京の秋を映画の魅力で彩る東京国際映画祭(以下:TIFF)。第33回を迎える今年は、海外ゲストの来日が困難なことや感染対策を徹底するための制限など、新型コロナウイルスの影響を受けながらもさまざまな変更や工夫を行い、10月31日からの開催を決定した。映画祭では「映画を見る喜びを再認識し、映画の未来への希望の光を灯す」「映画を通じて国際的な連帯を強める」「コロナ後の映像文化についての考察を深める」という目標を掲げ、映画館でのフィジカルな上映を基本にしつつ、シンポジウムやトークなどにオンラインも活用していく。

 その基本方針のもと、今年は例年のコンペ形式ではなく多彩な作品が集うショーケーススタイルに変更。昨年まで実施していた「インターナショナルコンペティション」、「アジアの未来」、「日本映画スプラッシュ」の3部門が1つの部門に統合した「TOKYOプレミア2020」となり、ワールド・プレミアやアジアン・プレミアの作品を中心に国内外の注目監督による32本を上映。合わせて、観客の投票で決定する観客賞を設ける。


 オープニング上映作品『アンダードッグ』、のんと林遣都が共演する『私をくいとめて』、竹中直人、山田孝之、齊藤工が監督を務めた『ゾッキ』といった話題作に加え、中東の気鋭女性監督カウテール・ベン・ハニア監督の『皮膚を売った男』やTIFF2017コンペ監督賞受賞経験を持つE・ヨウ監督による永瀬正敏、水原希子出演作『Malu 夢路』、「カンヌ批評家週間」に選出されたアリーム・カーン監督作『アフター・ラヴ』など気鋭監督作もずらり。

あの話題作を一足先に! 特別招待作品


 国内外の話題作が一堂に会する人気部門。今年は、クロージング作品に決定した、柳楽優弥と田中泯が葛飾北斎を演じる『HOKUSAI』をはじめ、白濱亜嵐、平祐奈のW主演で贈る恋愛映画『10万分の1』、パラカヌーに挑むヒロインを中条あやみが演じた『水上のフライト』、ダチョウ倶楽部・寺門ジモンが初監督した、EXILE NAOTOと土屋太鳳の共演作『フード・ラック!食運』、人気ドラマ「ストレンジャー・シングス」シリーズのノア・シュナップ初主演作『エイブのキッチンストーリー』など人気俳優の出演作も勢ぞろい。人気SFシリーズ『スカイライン ー逆襲ー』、ヴェネチアとトロント両映画祭を制覇した『ノマドランド』、そして日本でも大ヒットを記録した『新感染 ファイナル・エクスプレス』の4年後の世界を描くヨン・サンホ監督最新作『Peninsula(英題)』といった注目の海外作品もめじろ押し。
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