撮影と体力と日程と。【アフロスポーツ プロの瞬撮】
スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
撮影/文章:松尾憲二郎
史上初の開催延期となった東京2020オリンピック。
この大会に向けて我々フォトグラファーもそれなりの準備を数年かけてやってきた。
撮影技術やモチベーション、体力作りといったものだ。
中でも私が最重要視してきたのは撮影体力。
どんなに撮影技術があってもそれを繰り出す瞬間にシャッターを押せる体力がなければ何も残らない。
そんな体力は毎週末の撮影をこなしていれば、自然と蓄積されていたのがこれまでだった。
コロナ下でのスポーツイベント激減はそれを簡単にリセットさせてしまった。
2020年の短い夏は主に走り込みで体力低下を少しでも食い止めるのがやっとだった。
2019年の灼熱の夏、 東京2020プレシーズンは各テストイベントを駆け回っていた。
特に過酷で記憶に残っているのはお台場で開催されたトライアスロン。
選手目線では水質で大きな話題になっていたが、撮影者目線でも過酷な大会だった。
撮影現場に入るのは競技スタートの1,2時間前。
連日朝8時で気温は30℃を当たり前のように超え一気に猛暑日に迫る勢いは、その後始まる撮影にそれなりの覚悟を強いられる。
日射への対策をした服装、塩分タブレットとペットボトル、撮影機材を抱えてメディアルームを出ていった。
まずは海上に特設されたスタート台で選手を待ち受ける。その後、移動と撮影の繰り返しとなる。
バイクへ乗り換える様子を撮ったり、バイクを漕ぐ姿、ランを沿道から撮り、ゴールエリアに向かう。
移動といっても早歩きでは間に合わないので、どの移動も必然的に”ラン”になる。
重厚な機材に配慮した、低重心で衝撃の少ない走り方はかなりの負担である。
大汗をかきながら息の上がった体でカメラを構え、シャッターを押す瞬間は無呼吸で指先を落ち着かせる。
炎天下、風通しの悪い報道陣用のゴールエリアではメディカルスタッフからの冷たい水が支給された。
このスタッフも水も選手用に用意されたものだが、あまりの過酷さに見かねたのだろう。
冷たい水には本当に助けられたのをよく覚えている。
どんなに競技の知識や撮影技術、経験があっても、それを生かすには体力が必要となる。
ここ最近はすっかり涼しく撮影しやすい気温が続いている。マスクをするにも悪くない気候だ。
1964年東京オリンピックは10月10日からの2週間の開催だった。まさに今日この頃。
さすがはスポーツの秋といったことろだろう。
さてさて、開催の可否は置いといて、次の東京オリンピックは7月23日からの2週間となっている。
少なくとも選手がゴールするまでぶっ倒れない体力だけは準備しておきたい。
わがままを言えば今日のように、スポーツの秋がいい。いや、そんな日程はいまさら無理か。
■カメラマンプロフィル
撮影:松尾憲二郎
1985年 東京生まれ
都立工芸高校デザイン科卒業
バックカントリースキーの撮影にあけくれ雪山を登ってきた。
2014年より「アフロスポーツ」に所属。現在は様々なスポーツを撮影している。
日本スポーツプレス協会 (AJPS) 会員
国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員
【取材歴】
2015 冬季ユニバーシアード(スペイン/グラナダ)、EAFF 東アジアカップ(中国/武漢)、柔道・世界選手権
(カザフスタン/アスタナ)
2016 スキー遠征(モンゴル/アルタイ山脈)、リオデジャネイロパラリンピック
2017 冬季ユニバーシアード(カザフスタン/アルマティ)、冬季アジア大会(札幌)、夏季ユニバーシアード
(台湾/台北)、フィギュアGPシリーズ(ロシア/モスクワ)
2018 冬季オリンピック(韓国/平昌)、夏季アジア大会(インドネシア/ジャカルタ)、体操・世界選手権(カター
ル/ドーハ)
2019 陸上・世界選手権(カタール/ドーハ)
【個展】
2011 冷やしボブ(ボブ東京)
2014 YMK_展(EATME GALLERY 南青山)、YMK_展(UP LAND 札幌)
2016 SKIING MONGOLIA(代官山ヒルサイドテラス)、season(NIKON 新宿フォト・プロムナード)
【グループ展】
2018 AJPS報道展 『鼓動』
この大会に向けて我々フォトグラファーもそれなりの準備を数年かけてやってきた。
撮影技術やモチベーション、体力作りといったものだ。
中でも私が最重要視してきたのは撮影体力。
どんなに撮影技術があってもそれを繰り出す瞬間にシャッターを押せる体力がなければ何も残らない。
そんな体力は毎週末の撮影をこなしていれば、自然と蓄積されていたのがこれまでだった。
コロナ下でのスポーツイベント激減はそれを簡単にリセットさせてしまった。
2020年の短い夏は主に走り込みで体力低下を少しでも食い止めるのがやっとだった。
2019年の灼熱の夏、 東京2020プレシーズンは各テストイベントを駆け回っていた。
特に過酷で記憶に残っているのはお台場で開催されたトライアスロン。
選手目線では水質で大きな話題になっていたが、撮影者目線でも過酷な大会だった。
撮影現場に入るのは競技スタートの1,2時間前。
連日朝8時で気温は30℃を当たり前のように超え一気に猛暑日に迫る勢いは、その後始まる撮影にそれなりの覚悟を強いられる。
日射への対策をした服装、塩分タブレットとペットボトル、撮影機材を抱えてメディアルームを出ていった。
まずは海上に特設されたスタート台で選手を待ち受ける。その後、移動と撮影の繰り返しとなる。
バイクへ乗り換える様子を撮ったり、バイクを漕ぐ姿、ランを沿道から撮り、ゴールエリアに向かう。
移動といっても早歩きでは間に合わないので、どの移動も必然的に”ラン”になる。
重厚な機材に配慮した、低重心で衝撃の少ない走り方はかなりの負担である。
大汗をかきながら息の上がった体でカメラを構え、シャッターを押す瞬間は無呼吸で指先を落ち着かせる。
炎天下、風通しの悪い報道陣用のゴールエリアではメディカルスタッフからの冷たい水が支給された。
このスタッフも水も選手用に用意されたものだが、あまりの過酷さに見かねたのだろう。
冷たい水には本当に助けられたのをよく覚えている。
どんなに競技の知識や撮影技術、経験があっても、それを生かすには体力が必要となる。
ここ最近はすっかり涼しく撮影しやすい気温が続いている。マスクをするにも悪くない気候だ。
1964年東京オリンピックは10月10日からの2週間の開催だった。まさに今日この頃。
さすがはスポーツの秋といったことろだろう。
さてさて、開催の可否は置いといて、次の東京オリンピックは7月23日からの2週間となっている。
少なくとも選手がゴールするまでぶっ倒れない体力だけは準備しておきたい。
わがままを言えば今日のように、スポーツの秋がいい。いや、そんな日程はいまさら無理か。
■カメラマンプロフィル
撮影:松尾憲二郎
1985年 東京生まれ
都立工芸高校デザイン科卒業
バックカントリースキーの撮影にあけくれ雪山を登ってきた。
2014年より「アフロスポーツ」に所属。現在は様々なスポーツを撮影している。
日本スポーツプレス協会 (AJPS) 会員
国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員
【取材歴】
2015 冬季ユニバーシアード(スペイン/グラナダ)、EAFF 東アジアカップ(中国/武漢)、柔道・世界選手権
(カザフスタン/アスタナ)
2016 スキー遠征(モンゴル/アルタイ山脈)、リオデジャネイロパラリンピック
2017 冬季ユニバーシアード(カザフスタン/アルマティ)、冬季アジア大会(札幌)、夏季ユニバーシアード
(台湾/台北)、フィギュアGPシリーズ(ロシア/モスクワ)
2018 冬季オリンピック(韓国/平昌)、夏季アジア大会(インドネシア/ジャカルタ)、体操・世界選手権(カター
ル/ドーハ)
2019 陸上・世界選手権(カタール/ドーハ)
【個展】
2011 冷やしボブ(ボブ東京)
2014 YMK_展(EATME GALLERY 南青山)、YMK_展(UP LAND 札幌)
2016 SKIING MONGOLIA(代官山ヒルサイドテラス)、season(NIKON 新宿フォト・プロムナード)
【グループ展】
2018 AJPS報道展 『鼓動』
アフロスポーツ
1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。
■アフロスポーツHP
https://sport.aflo.com
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1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。
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