『RENT』開幕! 初ミュージカル&初主演の花村想太「本物の『RENT』をお届けできる」
堂珍は「この作品は、与えられている役がなかで、(演じている)その人が発する雰囲気というか人間性、ヒューマンみたいなものが、出たり入ったりというのがおもしろい。夢や悩み事、考え事、最初のカミングアウトじゃないけど、そういうのをやっていきながら、どんどん『RENT』にのめりこんできた」と、稽古を振り返る。
花村も「僕は人に弱みを見せるのがすごい苦手。一匹狼みたいな考え方をするタイプなんですけどRENTファミリーはその扉をこじ開けてくれました。みんなで心を開いて創り上げた本物のRENTをお届けできるのではないかと思っています」と、語る。
ミュージカルは、プッチーニのオペラ『ラ・ボエーム』をベースに、舞台を20世紀末のニューヨークのイーストビレッジに置き換えて、当時の若者たちの生き方や世相をドラマティックに描く。若き芸術家、ミュージシャンたちが、貧困、エイズ、ドラッグ、同性愛といった問題に直面していく。
初めて上演された時は当時起こっていた出来事を伝える意味合いが強かったが、時代が移るなかで作品が伝えようとするメッセージも変化している。
平間は、稽古中に、自身が演じるマークは『RENT』を通じて何を伝えたいのかと聞かれたことがあるという。「その時は明確なものが見つからなくて答えることができなくて、ずっと考え続けていきますと言いました。昨日、場当たりを見ていたときに見つけたことがあります。稽古中は、仲間がいるから強く生きていけるみたいなことを思っていたんですけど違う。個々の、一人ひとりの生きるパワーが必要なんだとということだと気づけました。信じる仲間や信じるものがあるから一人でも強く生きていける、そんなことを伝えたい。ソーシャルディスタンスで人との距離感ができたり、心が離れてったり、通じ合えないことが多い中で、自分が何を信じるかというところを大事に生きていけば人間が強くなると思います」と、熱っぽく語った。
甲斐は「たくさんのスタッフさんの支えもあって、まさかの電波でミュージカルを創り上げるという快挙を成し遂げました。2020年版の『RENT』はおもしろいんだと胸を張って言えます」と力強く話した。
『RENT』は12月6日まで同所で。愛知公演もある。