平井卓也デジタル改革担当大臣に聞く―「デジタル庁」創設への道のり
デジタル改革アイデアボックスにはものすごい建設的な意見や願いが寄せられている
——デジタル人材が不足する中、民間の協力や民間も参加してやっていくというイメージですか?
「日本でもDXに成功している企業や自前で非常に生産性の高いレジリエントなシステムを作っているところはたくさんあります。そういうところに関わった人間じゃないと、とは思っています。従来型の、今持っているシステムの部分最適化とか刷新ということにも限界を感じているので、新しい構造のシステムを頭に描いて一緒に進んでいける人たちじゃないといけない。となると従来型のSIer(システムインテグレーター)ではきつい。今回はそう思っています。なのでデジタル庁は今までの霞が関とは違うカルチャーでチャレンジするしかない」
——東京都はDXに向け、元ヤフーの宮坂学氏を副知事に迎えました。
「人材の面でも連携していこうということを話したので、我々がガバメントクラウドを作れば東京都も乗ってくると思います」
——河野行政改革担当大臣との連携の手ごたえはいかがですか?
「今までの日本のデジタル化は、手続きなどのやり方を見直さずに、単にアナログをデジタルにするというものが多かった。やはり根本的なやり方を変えるということが前提で、その手段としてデジタルがある、と我々は思っています。河野大臣は“自分が地雷を撤去して、その後を平井さんが走ってください”と言っています。デジタル化の障害になりそうな規制は河野大臣がすべて取り除いてくれる。そういう意味で私と河野大臣は完全にコインの裏表の関係になっています。そしてデジタル化を進めるにあたっては“デジタル10原則”という大事な原則を策定中です。それは基本的に誰一人置いていかない、人に優しいといったことなどです。アメリカでも中国でもない日本のデジタル社会というのが、僕が描いている“デジタル田園都市国家”のような、いわばSDGs。そういう原則はあるのですが、デジタル化へのプロセスにおける選択肢は柔軟に考えようということになっているので、意見を聞きながら、すぐに方針変更をする部分はある。大きな方向性さえ間違えなかったら成功するはずだということです」