オリンピックに向けスカウトも!? 中条あやみカヌーとの出会いを語る


 しかもトレーニングを経てアスリートさながらの磨きのかかった体に…!

「もともとジムには通っていたのですが、この役が決まってからカヌーを動かす筋肉も鍛えようと背中の筋肉などもトレーニングしました。でもそれだけトレーニングしても足りないくらいで、実際にカヌーを1日漕ぐと次の日に筋肉痛になりました。力を入れるとはっきり筋肉が分かるくらい、けっこうマッチョになりました(笑)。筋トレすればするほど漕いでいても腕が疲れなくなっていって、やはり日々のトレーニングが重要なんだなと思いました」

 トレーニングの成果に加え、リアルなアスリートらしさから遥の心情までを表現する、中条の身体的な演技力も必見。

「陸上選手だったときの遥は有力選手としてのプライドも高いので、背筋を張って堂々と、体の軸がぶれない姿勢を意識していました。無駄な動きや、手持無沙汰に見える動きをしないようにしてアスリートらしさを表現しました。車椅子生活をするようになってから、最初のほうは姿勢もうつむきがちなんですが、カヌーの楽しさに気づいてからは姿勢もどんどん良くなっていく、という上半身の表現も意識していました」

 全力でパラカヌーに挑んだ中条から見た魅力とは?

「パラカヌーも障がいによってクラス分けされているのですが、クラスごとにいろいろなルールがあり、種目も各種あるのでそのあたりまで知ると本当に奥深く、オリンピックとはまた違った面白さがあります。見るだけでは分からない難しさを知ると、さらに面白いと思います。パラカヌーは幅4メートルの中で漕がないといけなくて、そこからコースアウトすると失格になってしまうというルールがあるのですが、川ではよく風が吹いてけっこうカヌーがブレるので、コースアウトしないようにするだけでも難しいんです。またパラカヌーでは、最適なバランスをとるためにシートの角度調整が必要なため、担当する義肢装具士さんと息の合い方なども重要になります。そういった一見、見えない部分もパラスポーツの見どころの一つだと思います」