日本初、乾癬患者の見た目の悩みを解決するアパレルが誕生。「真実を着る、誤解を脱ぐ」

ストーリーのある洋服

　FACT FASHIONでは、頭皮から落ちた白い皮膚片（鱗屑）が肩にたまるのを防ぐため、肩から背中部分にすべりが良いポリエステルシャンブレー素材を使用している。乾癬ができやすく、かきむしることで血が滲んでしまう肘部位には、内側にオーガニックコットンのパッチを付けることで生地が二重になり、擦れに配慮すると共に、血の滲みが目立たないようにした。鱗屑がポロポロ落ちてしまう袖口は、2段階のアジャストボタンやドローコードを付けることで、締め具合を調整できる仕様に。こうした開発商品は機能性が高い一方で、高価格になりがちだが、販売価格は6900円〜と一般的な商品と変わらない価格帯にすることにもこだわった。

　デザイナーの大仲正浩さんは「これまでのアプローチと全く違います。従来はある程度のデザインやパターンがあって、かっこいいもの・美しいものを作るアプローチでしたが、今回は患者さんとのコミュニケーションを最も重視しました。初めての経験です」とプロジェクトの感想を語る。ヤンセンファーマの岸和田直美さんは「FACT FASHIONに込められた“真実を着る、誤解を脱ぐ”というストーリーのある洋服が世に出ていくことで、患者さんの精神的な負担を縮小することにつながるのでは」と今後に期待を寄せた。

　FACT FASHIONはオンラインストアでの販売のほか、12月10日までは六本木蔦屋書店で店舗販売も行なう。製薬、アパレル、患者会のコラボレーションで、ファッション業界に新たな物語が紡がれそうだ。