今年の新語2020大賞は「ぴえん」!「〇〇警察」「密」「リモート」などコロナ関連ワード抑える



 他の新語・流行語ランキングとは違い、『大辞林』『新明解国語辞典』といった三省堂の辞書を作っている言葉の専門家たちが「2020年を代表する言葉(日本語)で、一過性ではない、将来、辞書に掲載されてもおかしくない」言葉を選ぶ。そのため、選ばれるのは「今年特に広まったと感じられる新語」であり、必ずしも「今年生まれた言葉」には限らないのが特徴。候補語のなかから、特定のジャンルやコミュニティーに偏らず、使用する人の層や広がり、使用頻度の高さを考え、来年以降も使われるであろうという言葉を認定している。

 発表会には、選考を行った『三省堂現代新国語辞典』の編集主幹の小野正弘明治大学文学部教授、『三省堂国語辞典』の編集委員の飯間浩明氏、三省堂の山本康一辞書出版部長・大辞林編集部編集長が出席。選考にはそのほかにも三省堂の瀧本多加志出版局長、三省堂新明解国語辞典の編集部が携わった。




 大賞は「ぴえん」で選考委員みなが一致。「コロナの時代で、この『ぴえん』というのを推したくなる」と小野教授。もともとは軽い泣き声を意味する言葉で、SNSなどで使用されている言葉。「ぴえんて泣いているのは見たことないけど、言われてみれば、ぴえんだなって。今は”ぴえんな”って言い方はありますか? ”ちょっとぴえんな状況になってしまったよ”、”全然、ぴえんだよ”って言うのは大丈夫? では、形容動詞だ……」と、トークは新たな活用、そして今後の広がりまで発展した。

 2位以下は「〇〇警察」「密」「リモート」と、コロナ関連のワードが並んだ。

「〇〇警察」という使い方は、言葉を正す「言葉警察」や和装にチェックを入れる「きもの警察」など以前からあったが、指摘する人を警察という共通理解がなかった。ただ、「コロナの時代になって、自粛警察とかマスク警察とかニュースで報道されるようになって、みんながこの概念を理解するように至った」と、飯間氏。

「リモート」は今後も辞書に入っていきそうな言葉。リモート帰省、リモートお見舞い、リモート法事といったようにいろいろな言葉と一緒に使われるようになった。帰省しなくても画面で顔を合わせることで帰省になるなど概念から新しくなったとした。似た使い方で「オンライン」もあるが、リモートで映えるファッションのことを「リモ映え」というように「リモート」は省略して使われるケースも多くみられるという。