[インタビュー]岩田剛典 想像を超える展開が待ち受ける衝撃の話題作『名も無き世界のエンドロール』
記憶に刻まれるような、良い作品を作り続けたい
もともとグループのファンの多さは知られているが、作品を手がけるごとに俳優としての存在感が増し、俳優・岩田剛典のファンも増えていく。
「少しずつ“岩田剛典”として認められはじめたかな、という感覚はあります(笑)。ドラマや映画の世界でも、俳優として僕を見ていただけていると感じるようになりました。最初は当然ですが、どこに行っても“EXILE/三代目の岩ちゃん”でしたからね。こちらは同じ土俵に立って勝負したいと思っていても、キャリアがないとそのチャンスすらめぐってこないという現実があった。でも今、それを乗り越えてようやく土俵に立てるようになってきたという感覚があります。それはやはり、こうなるまで支えてくれたファンがいてくれたことも大きいです。すごいんですよ、ファンの方々も分かってくれていて。一番最初のころの舞台挨拶なんて、来てくれたファンがライブ会場みたいなノリでしたからね(笑)。もちろんそのノリで楽しむ作品もありますけど、社会派だったりシリアスな作品などもあるので“こういう映画の舞台挨拶はこのノリじゃないんだ”ということを、だんだん理解してくださるようになった。ファンの皆さんと一緒に成長してきたんだと思います。今では舞台挨拶で黄色い歓声を浴びることもあまりなくなりましたが(笑)、むしろ僕の気持ちが伝わっているんだと感じるし、作品を応援してくれているのも伝わってきます。本当にファンの存在って温かいですね」
だからこそEXILE、三代目JSBとして、そして俳優・岩田剛典として、いつまでも記憶に残り続ける仕事をしたい。
「移り変わりの激しい世界ですから、新しい才能が生まれて、それに飲み込まれてしまってもそれは自然の条理だと思います。けど、僕たちを応援してくれた人、関わってくれた方々と僕たちにとって、共に過ごした時間は確かにあった。それがしっかり記憶に刻まれていくように良い作品を作っていくことが、自分たちがすべきことじゃないかと思っています。自分たちのグループにしかできないエンターテインメントを、しっかりと見る人の記憶に刻んでいくこと。そして、僕自身も表現する仕事が好きなので、俳優としてなるべく息長く、いろんな作品に出会いたいと思っています」
本編の劇場公開と合わせて、キダの“その後”を描くオリジナルドラマ「Re:名も無き世界のエンドロール ~Half a year later~」の配信も決定。今後、骨太な役どころも増えそうな予感。
「そうですね、またハードボイルドをやってみたいと思いました。僕は『アジョシ』や『チェイサー』、『殺人の追憶』といった、2000年代初頭くらいの韓国映画がけっこう好きなんです。ああいう、救いようがない感じの…日本だと年齢制限が上がってしまうと思いますけど(笑)。あの表現の自由さは憧れるし、脚本も本当に面白い。あれくらい面白い映画を作りたいですね。作る側ですか? 実は何年か前から徐々に興味が出てきました。監督というより、まず何か作品をプロデュースしてみたいという気持ちがあります」
劇的な物語のなかで変化と成長をエモーショナルに見せた岩田剛典。今後も作り手として、表現者としてさらなる変化と成長を見せてくれるはず。(TOKYO HEADLINE 秋吉布由子)