「ときめきがなくても生きていける?」【36歳のLOVE&SEX】#2

以前携わっていた女性向け動画サイトGIRL’S CHが、1月14日に8周年を迎えました。これはサイトオープン日の私
 この間、同級生である友人に会った。

 年に一回くらいしか会わないが、普段はSNSでゆるくつながっている。

 互いに結婚をしておらず、映画が好きで趣味を持っているというところでシンパシーを感じる友人だ。


 友人は年末から婚活を始め、もう十人以上の人と会っているらしい。

 しかし、どうもしっくりくる相手がいない。

 悪い人ではないが、これから生活をしていく上で適しているかどうかを考えると、いまいち気乗りする相手がいないようだ。

 寂しい人生を避けたいからパートナーを見つけたいらしいが、正直なところ、今の生活で結構満足しているし、無理したり自分のペースを崩したりしてまで恋愛や結婚がしたいわけでもない、ということなのだと思う。


 10代・20代の頃には、恋した相手のことを強く思い焦がれたり、結婚を夢見たりしたことはあるが、30代になると色々なものが手に入って、恋愛のときめきがなくても生きていけるようになった。

 例えば仕事で責任あることを任せてもらえたり、収入が増えて買えるものややれることが増えるなど、年齢を重ねたからこそできることがどんどん増えてきて、楽しくなる。

 それに、以前はなんとなく人に良く見られたいという思いもあったが、いつの間にか、他人がどう思おうと自分が楽しいと感じられることが最優先、という風に気持ちが切り替わっていった。

 ステータスの高い男性に選んでもらいたいとか、同世代の女性よりも幸せな恋愛や結婚をしたいとか、漠然とあった浅ましい望みも最近は消えていったように思う。


 そういう気持ちになっていったきっかけがあった。

 私が30代になってハマったもののひとつが、女性向け風俗だった。

 使い始めたのは3年前になるが、最初は「お金を払えば性欲と承認欲求が満たされる、なんて私に都合のいいサービス!」と思って、お金を介しての関係でしかないのに、担当キャストに依存してしまい苦しんだのだ。

 でもある時、当時指名していたキャストに「そんなに金使ってないじゃん」と言われて、一気に現実に引き戻された。

(確かにそんなに金額は使っていなかったのだが……正直これは超失言だと思うし、人によってはすごく傷つく発言だから、もしこれを読んでいる女性向け風俗店キャストがいたら絶対に言わないでほしいのだけど。)

 私はこの一言で、自分がお金で彼を支配しようとしていたことに気付いた。

 私が払っているお金は、あくまでサービスに対する対価であって、人の心を束縛するためのものではない。

 自分自身のことを、なんと浅ましい人間だろうと思うと同時に、サービスをはき違えていたんだなと自覚した。

 そして何よりも、自分自身が楽しめていないことに気付いた。


 この一件から、少しずつ物事の優先順位が変わっていった。

 何か起こるたび、「私の気持ちはどう?」と自分に問いかける。

 こんな簡単なことが、30代になってからようやくできるようになった。

 いるかもわからない「誰か」の評価を気にして自分のあるべき姿を決めて、無視された本当の私はずっと苦しかった。

 それをやめて、自分が一番に楽しむことを最優先しよう!という気持ちが自分の中で育ってきたように思う。

 だから、どんなことにもときめくことができるし、そうなってからすごく生きやすくなったような気がする。



 ところで、女性向け風俗の話をしたので、少し紹介させてほしい。

 SODグループでは2010年前後から女性向けアダルト市場の拡大に取り組んできた。

 私も2013年から女性向け動画サイトGIRL’S CHの立ち上げに7年間携わってきたが、スタート時には少なかった作品数も何百という数に増え、動画だけでなくアダルトグッズの販売やイベントの開催なども行ってきた。

 それらは、女性にとって性を楽しむ選択肢を広げるものだと考えている。


 そして新たな選択肢として、昨年から弊社では、女性向け風俗の事業を始めた。「studioCH(スタジオシーエッチ)」という。

 女性向けAVの出演者と会えたり、動画コンテンツに力を入れたり、GIRL’S CHで得たノウハウも生かされている。

 昨年末にはGIRL’S CHとコラボし、会員の方(実は40万人もいらっしゃるのです)にご協力いただいてアンケートをとり、ドラマチックコース、いわゆるイメクラのコースを今年から新たに始めた。

 今年はその事業を、もっと多くの女性に知っていただけるといいなと思います。
2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2013年に女性向けアダルトサイト「GIRL’S CH」を立ち上げ。以来、GIRL’S CHの現場リーダーとして、サイト運営・企画・広報に携わる。
現在は新規事業の立ち上げを担当。