100年前の激動の時代に台湾に渡った日本人画家が求めた自由とは? 映画『塩月桃甫』

撮影風景

 大正10年(1921年)の台湾は、大戦前の日本統治時代。塩月桃甫は、日本政府側の教育者として台湾に渡り、台湾原住民族やその文化に魅せられていくが日本は同化政策、さらには戦争へと突き進んでいく……。激動する時代と矛盾していく自身の環境の中、塩月はどのような事を思い、どのように表現していったのか。小松監督は、この約一世紀前の同郷の画家を追いかけるにつれ、アーティストにとっての「自由」とは何か考えさせられていく。


 塩月桃甫の息子・小説家の塩月赳(太宰治の親友であり「佳日」のモデル)や、塩月と深く関わった芥川賞候補の小説家・中村地平(宮崎太陽銀行の前身・宮崎相互銀行社長/太宰治の「喝采」のモデル)、三尾良次郎(台湾から引き揚げ後、初代日向市長)など塩月桃甫を取り巻く人物も興味深い。


 塩月桃甫が台湾に渡った100年目の節目に、本作が上映される意味を感じたい。

 

 上映会は4月28日16時30分開場で西都市民会館にて行われる。