公園通りで「新しい渋谷カルチャー」を創造「hotel koe tokyo」とライブハウス「TOKIO TOKYO」の挑戦

 

 2021年2月、渋谷・公園通りのホテル「hotel koe tokyo」の地下にライブハウスがオープンした。新型コロナでエンターテイメントの形が変容していく中で、ライブハウス「TOKIO TOKYO」は今、渋谷から新しいカルチャーを発信していこうとしている。4月24日には、hotel koe tokyoとTOKIO TOKYOが共同主催するサーキットライブも行われるという。両者が目論むのは「公園通りから発進する、新しい渋谷カルチャーの創造」だ。その展望をTOKIOTOKYO代表・橋本登希男氏と、hotel koeの音楽事業プロデューサー・加藤将氏に聞いた。

 

ウィズコロナの今「新しいライブハウス」を作った理由

 

橋本登希男(TOKIO)

 

――「TOKIO TOKYO」は、コロナ禍でオープンした新しいライブハウスとしても注目されていますよね。なぜ、このタイミングだったのでしょうか。

TOKIO:タイミングが今だったのは「熱量が止まらなかったから」ですね。学生時代からライブハウスが好きで、自分で音楽イベントを主催していて、そこにしかない「生と現場の熱量」に胸焦がれていましたF。最初はIT企業に就職しましたが、やっぱり自分にとって「たぎる」のは音楽の仕事だったから、起業して音楽業界で生きていくことを決めました。

2019年にライブハウス立ち上げを決め、物件を探している時にコロナがやってきて、2020年5月に「hotel koe tokyo」の地下に空き物件があるという話がきた。こんな世の中でなければ、話が回る前になくなってしまうであろう好条件の物件。世の中のライブハウスに対する目線が冷え込んできているのはわかっていたけど、やるしかないと思った。店舗工事を着工して、オープンしたのが2021年3月です。

加藤将


加藤将(以下、加藤):
 hotel koe tokyoとしても「公園通りのこの十字路から新しいカルチャーを発信していきたい」という強い想いがありました。新型コロナがやってくる寸前までの3年間、hotel koe tokyoのラウンジでは毎週末、入場無料でDJイベントをやっていた。ここから音楽を好きになってくれる人を作る場所として、過去渋谷のカルチャーを作って来た人、今作っている人、これから作っていく人をクロスオーバーする企画を行ってきました。

イベントがコロナで中断されていたさなか、地下にライブハウスができると知った時はとても嬉しかったです。「新しい武器ができたな」と。ホテルという体裁上、僕たちはなかなかバンド形態のアーティストと関われる機会が少なかったから、一緒にできる場所ができたことに感謝しています。

TOKIO:koeが続けていたDJイベントも、音楽業界にアンテナを張っている人々の中では非常に評価が高かった。そんな「hotel koe tokyoの地下」というブランド力は、僕たちにとっても圧倒的な魅力であり、武器だと感じました。

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