これぞネットとリアル同時開催の映画祭にふさわしい“全身”で観れる森山未來監督「in-side-out」【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 3月末に演出させていただきました舞台『白豚貴族ですが前世の記憶が生えたのでひよこな弟育てます』が5月10日の正午までYouTubeで期間限定公開しております。

 ゴールデンウイークも終わりなんですが、映画館も閉まっていたりするので週末のステイホームのお供の一つに入れていただければです。

 ということで今回は鑑賞記なんですが、オンラインで見られる作品をチョイスしています。では始めましょう。

監督・森山未來監 主演・永山瑛太『in-side-out』リアル会場での上映に加え6月11日よりオンライン会場でも視聴できる

今年も始まったショートフィルム映画の祭典SSFF & ASIA 2021。

作品ラインアップを観てみると「森山未來監督」…

も~り~や~ま~み~ら~い~?

あの、ダンスがとっても上手で、僕が同世代で唯一抱かれてもいいと思っているあの、も~り~や~ま~み~ら~い~?!そうなんです、あとで知ったんですがWOWOWの企画で作られた若手俳優たちが監督するショートムービーの中の1本で監督を務められたとのこと。

同世代の俳優としても、国際映画祭出展経験のある映画監督としても(自慢)

「これは観ないワケにはいかない!」と早速、鑑賞させて頂きました。

冒頭、散らかった狭い部屋がたっぷりと描写され、次にこの映画唯一の登場人物にして主人公、寝ている小汚い男(こちらも僕が大好きな永山瑛太さん)が映される。

次に描かれるのは、この男の生活、とてもだらしなく不衛生、今のところセリフは一切ない。

布団の中、突如、男の思考であろう“頭の悪い”ナレーションが矢継ぎ早に、延々と「すごい」とか「ホントに」とか、そういう言葉がちょっとクセのある映像でドンドンと紡がれていく。

戦闘態勢で観ていた僕は思いました。「あ、そっち行っちゃったか」

どうせ、売れない小説家が描けなくて悩んでいる葛藤、みたいな。

自主映画祭や漫画新人賞の応募作に溢れていそうな「クリエイターの苦悩シリーズ」

ま、テレビの企画ですもんね、それでいいよね。

森山君のことだから、「ミッドナイトスワン」も注目されたんだし、ガッツリ踊ったり身体表現する系を作って欲しかったな、と、そこへ…

一瞬ですが

キタ!身体表現!

ここから作品は加速の一途をたどっていきます!その先はもう、観てのお楽しみ。途中、出てくる食事や匂いのシーンで、映像ですが充分に味覚嗅覚も刺激され、果ては脳の奥をくすぐられるような。

でっかい映画館のスクリーンでも、暗い部屋で一人ヘッドホンをしながらでも、どっちでも最高の経験が出来る、まさにネット・リアル同時開催(※)のSSFF & ASIAにふさわしい傑作でした。

嫉妬が止まらないしやっぱり抱かれたいぜ、森山監督!

さて、次はガレッジセールのゴリさん監督作品か…スマホ部門か…ああ!ワクワクが止まらない!

※…オンライン会場は開催中。リアル開催は6月11日からスタート

 

<人生相談の宛先はこちら

黒田勇樹に相談したい方はメールにて相談内容をお送りください。メールには「ニックネーム、性別、年齢、ご相談内容」をご記載ください。メールアドレスは「sodan@tokyoheadline.com」になります。

『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2021』
【上映会場】オンライン会場および表参道ヒルズ スペースオー、iTSCOM STUDIO & HALL二子玉川ライズ、渋谷ストリーム TORQUE SPICE & HERB,TABLE & COURT、赤坂インターシティコンファレンス(赤坂インターシティAIR)含む都内複数の会場にて ※開催期間は各会場によって異なる
【料金】無料上映(要予約)/無料配信 ※一部、有料イベントあり(予定)※5月12日(水)より予約開始
【URL】https://www.shortshorts.org/2021
※新型コロナウイルスの感染状況により変更の場合あり
【オンライン会場はこちら】https://shortshorts.org/2021/ja/online/
黒田勇樹(くろだ・ゆうき) 1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。 主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。 2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。 現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。 公式サイト:黒田運送(株) Twitterアカウント:@yuukikuroda23