コロナ禍の東京2020 聖火リレー 【アフロスポーツ プロの瞬撮】

 スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。

撮影/文章:松尾憲二郎(2021年03月25日 2020東京五輪 聖火リレー)

3月終わりにスタートした聖火リレーは賛否両論の中、1/3の行程が終了した。
私の取材は福島から愛知県、徳島から鹿児島県へと、延べ4週間に渡った。

ランナーや沿道の方々にカメラを向けて毎日数千枚のシャッターを切ってきた。
現場にいる大半の方は聖火リレー、オリンピックにポジティブな考えを持っていただろう。メモリーカードに残された絵は笑顔にあふれてた。

声援はほぼ聞こえてこない。
拍手やカメラのシャッター音のみをBGMに手を振り続けるランナーがいる。
ランナーの多くは「ありがとうございます」と、言葉を沿道に向けて繰り返す。 そのランナーとマスク越しに笑顔を反射し合う沿道の方々がいる。

ひとりのランナーは2分ほど重いトーチを片手で持ちながら、手を振る。車椅子の方も両手で漕ぎながら、時たま手を車輪から離し手を振る。
手を振らずに笑顔を振りまくランナーもいる。無表情で黙々と200mを走るランナーもいる。沿道から抗議の横断幕を持ち、声をあげる人もいた。

それぞれの思いを込めた聖火の旅はどこまで続くのだろう。

■カメラマンプロフィル
★インスタグラム★
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撮影:松尾憲二郎
1985年 東京生まれ
都立工芸高校デザイン科卒業
バックカントリースキーの撮影にあけくれ雪山を登ってきた。
2014年より「アフロスポーツ」に所属。現在は様々なスポーツを撮影している。
日本スポーツプレス協会 (AJPS) 会員
国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員

【取材歴】
2015 冬季ユニバーシアード(スペイン/グラナダ)、EAFF 東アジアカップ(中国/武漢)、柔道・世界選手権(カザフスタン/アスタナ)
2016 スキー遠征(モンゴル/アルタイ山脈)、リオデジャネイロパラリンピック
2017 冬季ユニバーシアード(カザフスタン/アルマティ)、冬季アジア大会(札幌)、夏季ユニバーシアード(台湾/台北)、フィギュアGPシリーズ(ロシア/モスクワ)
2018 冬季オリンピック(韓国/平昌)、夏季アジア大会(インドネシア/ジャカルタ)、体操・世界選手権(カタール/ドーハ)
2019 陸上・世界選手権(カタール/ドーハ) 
2020 東京2020オリンピック 聖火・採火式(ギリシア/オリンピア)
【個展】
2011 冷やしボブ(ボブ東京)
2014 YMK_展(EATME GALLERY 南青山)、YMK_展(UP LAND 札幌)
2016 SKIING MONGOLIA(代官山ヒルサイドテラス)、season(NIKON 新宿フォト・プロムナード)

  【グループ展】 
2018 AJPS報道展 『鼓動』

アフロスポーツ

1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。

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