別所哲也「デジタルと向き合うことでリアルの大切さ実感」コロナ禍の短編映画祭で得た気づき

スピーカーの宮下剛氏(デロイト トーマツ コンサルティング執行役員)

 Deloitte Digitalでも次世代の人材育成の取り組みとして、ソーシャルインパクトパートナーであるFC今治とともに、小学生向けにハローキティ主演のSDGsショートムービーを制作中。「文字にするよりも分かりやすく、キティちゃんというなじみのあるキャラクターを通し、楽しみながら自然にSDGsを感じてもらえるのでは」という宮下氏に、別所も「いいものは黙っていても伝わるという時代ではなく、そこにあるコンセプトや思いをどう伝えるか。短い時間の中で何を伝えられるのか、思いを共有できるのかというまさにショートフィルムの時代」と同調した。

 さらに「今は人と人とのコミュニケーションが文化を作り、大きな物語よりも小さな物語が生かされるコミュニケーションアートの時代。小回りの利くショートフィルムは、企画を立てて3ヵ月以内に世の中に見せていくスピード感だからこそ、今抱えている社会課題を映し出せる。もちろん大作映画のようにじっくり腰を据え、構想10年かけて普遍的なものを作っていくことも大切。これがまさに“New Era of Entertainment(エンターテインメントの新時代)”の世界観ではないか」と別所。

 今年の「SSFF&ASIA」は、シネマ・アド(ad)・アドベンチャー・ベンチャーの造語「シネマドベンチャー」をテーマに、オンラインとリアルのハイブリッドで開催される。別所は「デジタルと向き合うことで、リアルの大切さや希少価値を実感している。その意味で映像コンテンツや映像表現はこれから飛躍的に面白い時代に入っていくと思うし、映画祭ではその最前線を皆さんにお見せしていきたい」と意気込みを語って締め括った。

 この日はセッション1でゲストに福田浩士氏(株式会社meleap CEO)を迎え「ARスポーツの可能性」をテーマにトークセッション。セッション2では笹田賢吾氏(公益社団法人日本プロサッカーリーグ コミュニケーション・マーケティング本部本部長)が「Jリーグの考えるこれからの観戦体験、スポーツエンターテインメント」について解説。セッション4では「放送/メディア事業者の”デジタルトランスフォーメーション”とは?」をテーマに、清水武氏(デロイト トーマツ コンサルティング執行役員)と益山咲子氏(デロイト トーマツ コンサルティングTM&Eマネージャー)が講演した。

「Deloitte Digital Week」4日目の20日は「Hello New “Society”」をテーマに、セッション3「5GxAIで実現する社会課題解決」(18時40分〜)のゲストに前川智明氏(株式会社エクサウィザーズ執行役員 AIプラットフォーム事業部長)とSaman HERATH氏(株式会社エクサウィザーズAIビジョングループ)。

 最終日の21日は「Hello New “Business”」をテーマに、セッション1「teamLab x Deloitte Digitalで考える、新しいエクスペリエンスデザインへの挑戦」(17時〜)のゲストに堺大輔氏(チームラボ株式会社取締役)、セッション3「Global Marketing Trend 2021 ~世界のマーケティングトレンド~」(18時40分〜)のゲストに阿久津聡氏(一橋大学大学院教授、DBAプログラムディレクター)が登壇する。参加にはイベント管理サービス「Peatix」からの事前登録が必要で参加費は無料。

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