西田敏行『いのちの停車場』舞台挨拶で語った死生観「幸せな死に方を模索している」

 

 さらに松坂桃李が「小さな日々の積み重ねが“命のしまい方”につながっていくんだろうな、と。自分も、命のしまい方というものを改めて考えさせられました」と話すと、吉永がすかさず「早すぎますよ、そんなことおっしゃるのは」。そこに西田も加わって「早すぎますよ。そういう発言は70歳超えた人間が言うんだよ。俺たちが言うことなくなっちゃう」とまぜっかえし、一同大笑い。

 そんな西田は「齢70を超えた人間の発言を述べたいと思います」と茶目っ気たっぷり切り出しつつ「生き切るという、自然死を迎えられた方は本当に幸せだと思います」と、紛争や災害で失われた命に思いをはせつつ「私も、そういう幸せな死に方を模索して、その幸せな死に方をどういうふうにして自分の中で受け入れられることができるのかと思った時、やっぱり、生き切ることだと思うんですね。与えられたことを一生懸命やる、それしかなさそうだと思っています」。

 さらに「死ぬということを日常的に考えるような年齢になった」と西田。「そんなことを日々考えています。夜寝る前には必ず1回は、明日死んでいたらどうしようかなと考えています」と笑いを交えつつ、自らの死生観を語った。

 この日は、イベント途中で体調不良でみなみらんぼうが退席する一幕もあったが、みなみはトーク終了前に無事に舞台に戻った。

 映画『いのちの停車場』は公開中(休業要請に伴う上映館・上映日は公式サイトで確認のこと)。