「ウマ娘」スズカ役声優・高野麻里佳が最新主演作『エデン』の海外プロデューサーを驚かせたワザとは?
海外プロデューサーが高野のリアルな演技に驚愕
そもそも今回の作品は、何もかもが新しい体験だったと振り返る。Netflixオリジナルアニメシリーズとして制作された本作は、原案・プロデューサーのジャスティン・リーチを筆頭に、アートディレクターはクローバー・シェ(「上海バットマン」)、音楽はケビン・ペンキン(「メイドインアビス」)、そしてアニメーション制作は「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」や「ヒックとドラゴン」シリーズを制作する台湾の制作会社CGCG が手がけるという国際色豊かな布陣も注目どころ。高野も、最初は“仮アフレコ”から参加するという初めての経験を経て、サラ役が決定した。
「通常、アニメのアフレコでは行わない“仮アフレコ”から参加したのも初めての体験でした。仮アフレコは、アニメーションを作るための音声を録音するのですが、“仮”なので、実際の収録では私ではない方がサラを演じるかも…と思いつつ、映像を想像しながら朗読のような形でプレ収録をしていました」
プレ収録にはジャスティン・リーチ氏も参加。高野のとある才能に驚く場面もあった。
「物語の冒頭でサラの赤ちゃん時代が描かれるのですが、ジャスティンさんから“赤ちゃんの声がすごく上手ですね”と言っていただいたんです。“赤ちゃんの演技がすごくリアルでびっくりしたよ。身の回りに小さい子がいるの?”と聞かれたので、ちょうど私の身近に生まれたばかりの赤ちゃんがいてその様子を見て研究したことなどをお話ししました。そういうこともあって、私をサラ役にと思ってくださったのかな、と。サラやこの作品が大好きになっていたので、実際に演じることができて本当にうれしいです」
初めての体験が満載だった本作に大きなやりがいを感じた様子。
「仮アフレコもそうですし、原作がないオリジナルアニメということ、しかもその原作者が海外の方で、自ら来日して、通訳を通してですが作品について直接説明してくださって。1つの作品の中で赤ちゃんから大人になるまでを演じたことも初めてでしたし、すべてにおいて新しくてチャレンジングな作品でした」
さらに、本作は全世界同時配信。世界各地で日本のアニメが楽しまれている今、“高野麻里佳ファン”は海外でも増殖中。
「海外の方からお手紙でメッセージを頂くことも多いんです。遠くからですが作品をちゃんと見ています、応援していますという温かいメッセージを本当にたくさん頂きます。実際にそうやってメッセージを頂くと、海外の方にも日本のアニメを楽しんでいただけているんだと実感します。広く海外にも届くというのは、配信サービスの強みだなと思います」
ちなみに今、海外の高野ファンの中で人気が高い作品は?
「最近は、やっぱり『ウマ娘 プリティーダービー』が、海外の方からも反響をいただくことが多いです。元ネタが実際にいた馬ということで、興味を持っていただいているようです。あとは、私のファンと言ってくださる方は海外のファンの方もほとんどの人が『それが声優!』を見てくれているみたいです。日本の声優事情を描いている作品なので、そういう部分も海外の方に興味を持っていただいているのかなと思います」
グローバルなアニメ制作が広がるなか、世界的ヒットアニメの誕生、そしてアニメ文化を支えてきた日本の声優たちのワールドワイドな活躍にも期待したい。
「私はけっこうハードボイルドな作品も好きなんですが、アニメーションの表現についても国によって規制がかかったり、センシティブな部分があると思います。でも、そういう部分にも配慮しつつ、アニメだからこそ描けるエンターテインメントとして、どんどんチャレンジしていただいて、世界の人々が楽しめる作品が増えてくれたらいいなと思います」