草なぎ慶喜がどしゃぶりけちらす慟哭「尽未来際と…」円四郎が襲われ<青天を衝け>

どしゃぶりも慶喜の涙を隠せず……

「カットアウトというか、本当に突然途切れたという形を作りたかった。円四郎さんにすれば予期せぬ出来事ですし、目の前には明るい未来しか開いていない状態で死んでいきたいというのがありました」と、演出の村橋直樹氏。「その前のシーンで、円四郎さんが慶喜さんに『一生ついていきます」と言ったら微笑みになって返ってきました。そうした満たされた中で、どう死んでいけるかということを意識していました」

 斬られたあと、「まだ、見てえもんが……」と歩いていこうとしたり、円四郎が見ている先を撮っているのもまた、先を意識したからだという。

 円四郎が命を奪われたという知らせを聞いた慶喜は走って迎えると、「尽未来際と言っていたではないか」と、どしゃぶりの中で慟哭する。

「僕は雨とか雪を振らせてしまうんですよ」と村橋氏。そのうえで「涙が流れるシーンですから、雨を降らせない方が効果的に映るかもしれないとも思いました。ただ、そういう涙を見せたくないとも思いました。草彅さんの芝居は形ではないところで出るものがあるんです。涙とか嗚咽とか、そういう形ではなく、僕らが現場で感じていることを見せたい、と。その結果、雨でもまれているなかでも、涙や嗚咽しているのが伝わってくるし、想像以上のものが出てきていたと思います」

私は…輝きが過ぎるのだ